うーん!
本当は貴方からの距離をUPしたかったんですが、どうもダメみたい。
泉さんメインじゃ全く筆(?)が進みません!!
やっぱり風月が書きたくて堪らないのは蓮キョ!!!!
泉さんの話をうんうん唸って考え過ぎて蓮キョ不足になりそうだったので思わず書いちゃいました♪
えへ♪ちょっと回復♪

コミックスのコーンとキョーコのキスシーンが忘れられずに書いちゃいました☆


*****

キスの余韻


キョーコはポウッとしていた。
いつものように夕食を作りに来てくれたはずのキョーコだが、いつもの手際の良さがなく、心ここにあらずと言うように料理をする手を止めては、何かをぽうっと考え込み、また首を振ってその思考を振り払うかのような仕草を見せて、また料理を再開をする。

そしてそんなキョーコに堪らず、蓮は後ろから声をかけた。

「最上さん…」

蓮の声にキョーコの体が大袈裟なくらいビクンと反応し、奇声を発する。

「へぁい?!つ、敦賀さん!!な、何事でしょうか?!」

そんなキョーコの反応に蓮は目を丸くして、遠慮気味に声を掛ける。

「いや…その、もしかして体調悪かったりするのかな?って思って…。」

「へ?!な、何故でしょう?!元気ですよ?!元気盛り盛りです!!」

「そう?それならいいんだけど…」

「あ、すみません!時間がかかりすぎですよね!!やだっ!私ったら…ちょっと考え事しちゃって…」

明らかに無理に明るく振る舞うキョーコを見て、蓮は胸が苦しくなった。

「考え事って…?」

「へ?!いえいえ!敦賀さんのお耳に入れるようなことではっ…!!そ、それよりっ!もう少しかかりますから敦賀さんは先にお風呂にでも…」

キョーコは慌てて蓮の追求を逃れようとした。

ーーーい、言えない!!!!コーンとのあのキスのことを思い出して、敦賀さんと同じ顔の作りだったから敦賀さんとのキスもあんな感じなのかな?って思ってしまってたことなんて!!

真っ赤になったキョーコが、先ほどから目も合わせてくれなくて、蓮は面白くなかった。

「そんなに、俺には知られたくないこと?ねぇ?俺ってそんなに頼りにならないのかな?」

「ちちちちち違います!敦賀さんが頼りになるとかならないとかそんな話じゃなくてですね!!」

「じゃあ、話してくれない?君が料理も手に付かないほど何か思い悩んでることがあるんだろう?」

「い、いえ!!本当にっ!!敦賀さんがお気になさるようなことでは決してないので…」

「最上さんっ!」

「ふぇい!!」

蓮はギュッとキョーコを後ろから抱きしめた。
キョーコが蓮の腕の中でギシリと硬直するのがわかったが蓮はこのままにしておくのが耐えられなかった。

「お願いだ。俺が…知りたいんだよ。君の思考を奪っているのがなんなのか…。」

蓮の言葉に暫し固まってしまったキョーコだか、ハッと我を取り戻して慌てて首を横に振った。

「だ、ダメです…これ…だけは…」

抱き締められた身体が熱い。心臓の音からキョーコの蓮への想いが伝わってしまうことを恐れて、キョーコは蓮の腕を引き剥がそうと、己を手をかけたがビクともしない。

「どうしてダメなの?俺は君のことをもっと知りたい…」

蓮の切ない声と吐息がキョーコの耳に直接触れたことで、キョーコはビクリと身体を震わせた。

「最上さんのことがもっと知りたい…。」

「つ…」

キョーコが名前を呼び掛けた声は蓮の中に飲み込まれた。

無理やり抱き込まれて重ねられた唇。
突然のことにキョーコは目を閉じることも忘れてしまった。

唇を離してからも呆然と見上げてくるキョーコの唇を蓮は優しく撫でる。

「コーンにファーストキス奪われたんだったね?」

キョーコは蓮の言葉にハッとして目を見張ると見る見る内に真っ赤になった。

「ねぇ、奪われたのはファーストキスだけ…?」

「え…?」

蓮の唇がそっとキョーコの首筋に落ちた。
チクリとした痛みが走り、キョーコはそこに吸い付かれたことに気付いて更に肌まで赤らめる。

「な…な…なな…」

口をパクパクさせて言葉が出てこない。
蓮の手がそっと動き、キョーコの胸の膨らみを服の上から包み込む。

「心までコーンに奪われたりしてないよね?」

ギュウと抱きつかれてキョーコは半分パニックになる。

「ちょ?!え?!つ、敦賀さん?!」

そのままグッと力を入れて抱き締められたキョーコの身体が宙に浮いた。
足が床に着かずジタバタと暴れる。

「つ、つるがさっ?!やっ!!」

「最上さん…俺は…渡したくない。誰にも…最上さんを奪われたくない。たとえ君の相手がアイツだとしても…」

「敦賀さん…?」

蓮の様子がおかしいことにキョーコは漸く気付いた。
そっと自分を抱き上げている蓮の手に己の手を重ね、蓮が何を言おうとしてるのか、耳を傾ける。

蓮の腕に一層力が篭った。

「君が好きだ…。」

蓮の告白にキョーコは息を飲む。

「好き…なんだ…」

頭の後ろに額を押し付けられ、懇願される。
蓮の言葉が骨を伝って頭に直接響いて来た。

「う…そ…」

「嘘じゃない。」

信じられなくてキョーコが呟くとすぐさま否定の言葉が響く。

「君の心を占めるものに嫉妬するほど、俺は君に焦がれてる。」

蓮はキョーコをそっと床に下ろした。
そしてキョーコの肩を掴むと身体をクルリと反転させ、その目をまっすぐに覗き込んだ。

「好きだ…最上さんを愛してる。」

絡み合う視線。キョーコの目に熱がこみ上げてきてそれと同時に涙が溜まる。
しかし、目は蓮から離せなくて、キョーコの目は蓮を見つめたまま、ポトリと涙を流した。
そうして流れた涙を蓮は指で優しく拭い、柔らかく困ったように微笑んだ。

「ごめんね?君が嫌だと言っても俺は君を諦められそうにない。それほど俺の中は君のことでいっぱいなんだ。」

蓮がキョーコの細い身体を抱きしめた。

「だから知りたい。ねぇ、教えて。何を…そんなに考えてたの?」

キョーコは蓮の腕の中で真っ赤になった。
そして蓮の腕をギュッと掴み、蓮の胸に顔を埋め小さな小さな声で答える。

「…キス…」

「え…?」

蓮は小さすぎて聞き取れなくて聞き返した。

キョーコはどんどん恥ずかしくなって真っ赤になりながら小さくなる。

「最上さん??」

離して聞こうとしても、蓮にしがみ付いて顔を埋めたまま離れなくなってしまったキョーコに、蓮は参ったな…と呟きながらも嬉しそうに顔を崩した。

ギュウギュウに抱きついてくるキョーコを宝物を抱きしめるように優しく抱きしめ返して、蓮はそっと囁く。

「俺の告白の返事はYesってことでいいのかな?」

少しの間の後、ゆっくりとキョーコが頷いたのを確認して蓮はキョーコを抱きしめて、またキョーコの足を浮かせるとそのまま嬉しくて振り回した。

「きゃっ!!つ、敦賀さんっ!!」

愛しくて堪らないとばかりに口元を緩ませた蓮は慌てふためくキョーコを離して、顔を近付けニヤリとイタズラを思い付いついた少年のように笑う。

「ね?教えてくれないとキスするよ?」

その言葉に真っ赤になったキョーコだったが、恥ずかしそうに照れながら蓮を上目遣いで見つめて蓮の意地悪を意地悪で返した。

「じゃあ、教えません。」

その返答に一瞬目を丸くした蓮は、嬉しそうに笑ってキョーコの頬を包み込んでキスをした。
キョーコも照れながらもそれを受け入れて二人でふふふっと幸せそうに笑い合う。

「あ、やだ!もうこんな時間!」

キョーコは蓮の腕の中で、壁に掛けられた時計を見て慌てて言った。

「すぐにご飯、作りますね!」

可愛らしい満面の笑顔を向けてキョーコが蓮に微笑むと、蓮もキョーコの笑顔に負けないくらい柔らかな笑顔をキョーコに向けて微笑んだ。

「うん。待ってる。」

甘く溶けそうな柔らかな声を受けてキョーコは心臓があったまるのを感じながらキッチンに立った。

蓮の気配があるそれだけで幸せな気持ちになる。
浮かれ過ぎて怪我をしないようにと言うことだけに気をつけてキョーコは料理を作る。

ーーー始めて出来た『恋人』のために。

ふふふ。キョーコは可愛らしく頬を染めて微笑むと、料理を盛り付け、リビングに向かった。

「出来ましたよ!」

「いつもありがとう。最上さん。」

蓮の笑顔とキョーコの笑顔。
そんな二人の幸せな食卓。

二人は温かい料理を二人で仲良くお腹に収めて、その後、互いの温もりを求めるように寄り添って甘く蕩けるキスを交わすのだった。


END

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