次屋妙子のサプライズ☆ラボ去る2月15日、書道家 矢部澄翔 さんと二人で、麻布十番のdream.lab にて初のコラボ展「一日だけの展覧会」を開催させていただきました。
「夜逃げ屋本舗」さながらの怒濤の搬入に始まり、二人の作品を一点ずつ天井から吊す作業、搬出に至るまで「女手二つ」で何とかやり遂げることができました(笑)。澄翔さんは、オマーンでも実際に展示した掛け軸をメインに、7点の作品を。私はオマーンの写真40点、百花(女性のポートレイト)作品を48点展示させていただきました。
前日は、澄翔さんの愛車に二人分の膨大な荷物を詰め込んで、まさに「夜逃げ」同然の様相で、搬入作業を開始。セッティングを終えたのは何と10時間後でした!何しろ私たちは「こだわりポイント」が一緒なだけに、二人の辞書に「妥協」という文字はありません(笑)。ただただお客様に喜んでいただきたくて、最後の最後まで二人の思いをカタチにするべく「完璧」に近づけることにこだわり続けました。その結果、本番前夜からヘロヘロでしたが、満足のいくエキシビションになったと思います。

次屋妙子のサプライズ☆ラボ翌朝。雨の予報を見事に覆し、「晴れ女伝説」を無事更新することができました。以前、イベント業界の先輩からこう厳しく指導されたことがあります。「天気を晴らすのも、実力のうち。すべてプロデュサーの責任」と。以来、自分の関わったイベントは雨を降らせてことがありません(本当に!)。
今回は「平日」の開催ということもあり、日中のエキシビションにはそんなにお客様がいらっしゃらないのでは?と、正直あまり期待はしていませんでした。ところがドッコイ!朝10時の開場と共に、続々とお客様が入って来られるではありませんか!本当にビックリするやら、ありがたいやら、うれしいやら、照れくさいやら。その後も客足が一切途切れることなく、「千客万来」。澄翔さんも私も食事を取るどころか、トイレに立つ暇さえないほど、お客様の対応に追われていました。結局、夜の撤収時間まで水以外何も口にすることなく、ずーっと立ちっぱなし。でも不思議とお腹も空かず、疲れもせず、最後まで元気に乗りきることができたことは、ひとえにお客様の笑顔のおかげだったと思います。


次屋妙子のサプライズ☆ラボ今回は「初コラボ展」ということで、二人でおそろいのDMも作ることにしました。ご来場下さったお客様に、記念にお渡しする名刺代わりのようなメモリアルカードです。写真は私が撮らせていただきましたが、デザインは澄翔さんが担当して下さいました。実はこんな細かいところにまで、私たちの「こだわり」が隠されていたのです(笑)。
その他にも、私は自分のコーナーで、百花の写真集や、味の素Jinoで連載させていただいていた「フォトエッセイ 次屋妙子の美心集」も全編初公開させていただきました。皆さん、ベンチに座って熱心に読んで下さっていた姿が印象的です。
そしてアラビアと言えば、やっぱりラクダ!オマーンで澄翔さんとおそろいで買ってきたラクダちゃんたちも、一日中私たちのことを見守ってくれていました(笑)。
そうそう。88枚の写真を展示した他、2本の「映像写真展」も制作していきましたよ。「一日だけの展覧会」のための「一日だけの映像写真展」。題して「矢部澄翔の千夜一夜物語」。これは当日まで澄翔さんにもナイショのサプライズでした。

次屋妙子のサプライズ☆ラボとにかく朝から晩まで「千客万来」。
「初めまして」の方達が色々な方からのご紹介で訪ねて来て下さったり、懐かしい方達が、ブログやホームページを見て駆けつけて来て下さったり。思いがけず「同窓会」のようなシーンになることもしばしばでした。
やっぱりどんなに小さくても、こうして「発信」したり、「表現」する場を持つということは、こんなにも人と人が繋がって行くものなのですね。新鮮な驚きでした。そう考えると、「個展」って何だか「空港」みたい。出逢いがあって、別れがあって、でもそこから再び何かが始まって……。大変だったけど、やっぱり思いきって開催してよかった!心からそう思っています。







次屋妙子のサプライズ☆ラボ日中のエキシビションには、大変ご多忙の中、オマーン・スルタン国大使館より、シャフィア・サイフ・アルマスカリ一等書記官もお見え下さり、今回の展覧会の開催を大変喜んで下さいました。以前にもお伝えしましたが、今年は日本とオマーンが国交を結んでちょうど40周年の佳節を迎えます。その意義ある年に、少しでもオマーンの素晴らしさをお伝えできたら、との思いで、今回の展覧会を企画させていただきました。
そもそも「書道展」という切り口だけだと、なかなか敷居が高くて若い方達などは敬遠しがちだったかも知れませんが、敢えて「書き手」の顔を見せることで、「書」に親しみを持っていただけるのでは?という狙いもあり、書道展と写真展というコラボ展にしてみたのです。その思惑が見事に的中したカタチとなりました。実はこんなに若くて、こんなにチャーミングな女性が、このスゴイ文字を書いていたんですよ、という「タネ明かし」をすることで、「書」の新しい可能性や斬新な世界観を表現してみたかったのです。これからも「人をデザインするプロデューサー」として、こうした「バックヤード(舞台裏)」を見せて行くイベントをどんどんデザインして行きたいと考えています。またこの日は、外務省の職員の皆さまをはじめ、出版社や新聞社、ラジオ局などマスコミ関係者の皆さま、中には私のブログを4~5年前から愛読して下さっているという熱心な読者の方々までご来場下さり、人のご縁に胸を熱くした一日でした。

次屋妙子のサプライズ☆ラボそして、あっという間に夜のレセプションパーティーの時間となり、約70名近くのお客様にご来場いただくことができました。たまたま日本にご帰国中だった在オマーン日本大使館の久枝大使夫人にもご出席いただき、祝辞を頂戴することもできました。これもすべて「タイミング」ですよね。深謝。
夜の部では、「アッサラーム・アライクム」という私たちのアラビア語の挨拶から始まり、30分間のトークショー。そして、この日初公開となった、ドキュメンタリー映像「矢部澄翔の世界書紀行――World performance」を上映させていただきました。YouTubeにアップしてしまうことは簡単ですが、まずはお世話になった皆さまに「リアルな場」で、一番最初にプレミア試写会をさせていただくことで、私たちの感謝の心を「直」にお伝えしたいと思ったのです。以前、過去ログにも書かせていただきましたが、今回はすべて私一人でカメラを回して来たので、映像をご覧いただくということは、私自身が「丸裸」にされているような奇妙な感覚でもあり、かなり緊張しましたが(笑)、思いの外皆さまからご好評をいただき、ホッと安堵致しております。今回は「一日だけの展覧会」を仕掛けたプロデューサーでもあり、また自分の作品(写真や映像)をご覧いただく「作り手」の側でもあったので、その両面を同時に楽しませていただけたことは、とても贅沢なことだったかも知れません。心から感謝の気持ちでいっぱいです。

次屋妙子のサプライズ☆ラボ最後は、澄翔さんが会場のど真ん中で「書道パフォーマンス」を披露して下さり、アラビア語と日本語で「出逢いに感謝」としたためて下さいました。それを再び撮影する私(笑)。この日は、プロデューサー兼司会兼カメラマンという、相変わらずのハイブリッドぶりでした(笑)。何はともあれ、「思い」をカタチにするには強烈なエネルギーが必要です。夢をかなえるためには、スピードも必要です。旬な夢を旬な時に旬な状態のままカタチにするためには、上質なタイミングも必要かも知れません。いずれにしても、今回は二つの台風の目が、本当に大勢の人たちを巻き込み、お騒がせしてしまったかも知れませんが、夢って、こうして人と人の出会いが掛け算されながら、叶って行くものなのかも知れませんね。

そもそも、澄翔さんと二人でたった「二週間前」に思い立って、開催した今回の展覧会(笑)。無謀と言えば無謀でしたが、未だに沙漠の中の蜃気楼のように夢見心地です(笑)。オマーンでも折ある毎に「いつか二人でコラボ展を」という話はしていましたが、まさかこんなに早く実現しようとは思ってもいませんでした。もしかして、澄翔さんと私は「夢をかなえる速度」が似ているのかも知れません。私はよく、お詫びやお礼には「賞味期限」があるという話を講演会でもさせていただくのですが、「夢」にもまた「賞味期限」があるように思えてならないのです。それは夢をかなえる「スピード」であったり、夢そのものの「鮮度」であったり、そして何より一緒に夢をかなえていく「仲間」の存在であったり。今回は二人のそれぞれの「実現力」と「引き寄せ力」が2倍になったからこそ、猛スピードで夢が実現したのだと思っています。私は澄翔さんと巡り会えたことを心から幸せに思います。

今回、本当に本当に大勢の皆さまのおかげで、「コラボ展」を実現することができました。ご来場下さった皆さま、大変にありがとうございました。そして、スタッフとしてお手伝いをして下さった皆さま、大変にありがとうございました。特に大切な友人でもある中島明氏には、感謝の言葉も見つかりません。前日の搬入から当日の本番中、更には終了後の夜中の撤収に至るまで、一番傍で私たちの夢を応援し続けてくれました。夢はみんなでかなえていくものなのだと教えてくれた恩人でもあります。本当にありがとうございました。
最後に、この言葉を読者の皆さまとシェアさせていただいて、終わりたいと思います。長文のリポート、最後までお読みいただき、ありがとうございました。「If you go fast, you go alone. If you go farther, go together」(早く動きたいのなら自分一人で行きなさい。ただ、より遠くへ行きたいのなら、みんなで行きなさい)」(アフリカの諺)

追伸/
矢部澄翔さんの開催リポート(前編)はコチラ→
                  (後編)はコチラ→