先日ご縁があって、織田友理子さんというたいへん美しい女性のポートレートを撮影させていただいて来ました。実は彼女は、車椅子ユーザー。22歳の時、進行性の筋疾患「遠位型ミオパチー」との診断を受け、2005年からずっと車椅子生活を送っておられる女性です。(遠位型ミオパチーは、日本国内の患者数がわずか数百人という非常に珍しい病気で、未だ治療法が確立されていない超希少疾病)。
でも彼女といると、そんなことを微塵も感じさせません。たいへんなご病気を抱えていらっしゃるはずなのに、同情や憐み、悲嘆や悲観などとはおよそ無縁の凛とした佇まい――。いつもお会いするたびに、こちらの方が元気をいただいて帰ってきます。撮影日のこの日もそうでした。
実は、車椅子の方を撮るのは生まれて初めてだったので、いつも以上にアングルや撮影時間などには気を使いましたが、ファインダー越しに見える彼女の美しさに何度息を呑んだことでしょう!美しいばかりではありません。覚悟に裏打ちされた、強さとしなやかさが共存している女性。彼女のその透明感は、まるで西洋絵画に出て来るミューズのようでもありました。あの日、光も風も味方に変えて、「織田友理子」という、いま心から尊敬してやまない女性を切り取らせていただけたことを心から誇りに思います。


友理子さんは、元々公認会計士を目指されていたとのことで、人一倍努力家で負けず嫌いな性分だそう(笑)。25歳の時に大学時代から付き合っていた洋一さんと結婚をされ、一年後には男の子を出産されています。30歳の時、障害者留学支援制度により、半年間デンマークにも留学。その後、ご主人と二人でバリアフリー動画情報サイト「車椅子ウォーカー」を開設。障害当事者による画期的な取り組みだとして、様々なメディアにも取り上げられています。車椅子ウォーカー☞http://www.oda-y.com/
また昨年は、織田さんが代表を務める「遠位型ミオパチー患者会(NPO法人PADM)」の「みんなでつくるバリアフリーマップ」がGoogleインパクトチャレンジのグランプリを受賞!現在、「世界中の車椅子ユーザーが訪問したエリアのバリアフリー情報をスマートフォン機能を利用してMAP化する」という事業内容を着々と進行中だそうです。
とにかく、人一倍好奇心旺盛で、チャレンジ精神旺盛な友理子さん。その彼女の活躍の陰には、常にご主人である洋一さんの献身的な支えがあり、まさに「水魚の交わり」という故事はこのご夫妻のためにあるのでは?と思えるほど、いつも仲睦まじいお二人の姿に胸が熱くなります。
実はこの秋、織田友理子さんとのトークイベントを予定しております。詳細に関しましては、またあらためて発表させていただきますので、どうぞお楽しみに。