昨年10月、撮影のお仕事のため、イタリアへ行ってまいりました。今回は約一週間に渡り、フィレンツェに滞在。雨の多い時期だと聞いていましたが、おかげさまで全行程、抜けるような青空に恵まれ、「スーパー晴れ女」もいよいよ国際デビューを果たすことができました(笑)。

 

2011年、中東のオマーンへご一緒させていただいて以来、書道家・矢部澄翔さんの「世界書紀行」シリーズをプロデュースさせていただいていますが、今回も一昨年同様(2015年はロシア)、彼女の専属カメラマンとして密着取材をさせていただくことがミッションでした。

実は昨年(2016年)は、日本イタリア国交樹立150周年という非常に意義深い年。そればかりか、澄翔さんご本人にとっても、たいへんおめでたい年となったようです。書家として独立されて10周年。また、お子様をご出産されるなど、幾重にもお祝いごとが重なり、文字通りアニバーサリーイヤーとなりました。

 

 

「世界書紀行」と言えば――今まで澄翔さんには、オマーンの砂漠で、オレゴンの渓谷で、ハバロフスクの氷上で、イッテQ並みの無理難題を言っては、それぞれの地に即した書を書いてもらってきましたが、今回は何と言っても華やかなルネサンス発祥の地が舞台。シニョーリア広場で、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉をしたためてもらうことにしました。

 

当日は、「数百年前」と「現代」とが溶け合う不思議な時間軸の中で、得も言われぬ神聖な空気に包まれての撮影となりました。まるで、天上の音楽が次々と可視化されていくような筆使い。それと同時にファインダー越しに見えたのは、まぎれもなくルネサンスの巨人たちの魂でした。彼らが静かに私たちを見下ろし、見守ってくれていたような感覚は今も忘れることができません。澄翔さんがダヴィンチの言葉を書き上げた瞬間、今まで止まっていた時間が再び動き出し、束の間のタイムトラベルは終わりを告げました。今回も息を呑むような美しい荘厳な時間に立ち会うことができ、感謝の思いでいっぱいです。

何度訪れても、溜息が出るほど美しい街、フィレンツェ。大人の旅にこそ、ふさわしい場所かも知れません。

 

 

 

下記Vimeoでは、高画質でご覧いただけます。

予告編はコチラです。(2分48秒)

世界書紀行2016イタリア編(予告編)

本編はコチラです。(12分32秒)

世界書紀行2016イタリア編(本編)