こんにちは。

 

先日、子供のことに関して母に「色々計画するけど、予定通りには行かないね」と呟いたところ

 

「マリモちゃん(娘の仮名)がのびのび育っている証拠やん!いいことよ!」

と言われました。

 

なるほど!確かに、親が計画しているとおりに行っているということは

子供が親に合わせているということか!

と、一気に前向きになりました。

 

母、強し(笑)

 

さて、今日は食欲コントロールのお話。

 

基礎的なところに戻り、食べるという行為が複雑な理由をお話します。

 

 

 

 食べるという行為が複雑な理由

 

 

食べるという行為は五感を通して受け取りますが

他の五感よりもちょっと複雑だったりします。

 

例えば、見るという場合は担う五感は視覚ですよね。

眼という一機能が光の情報が受け取り、その信号を脳に伝えます。

 

「聞く(聴覚)」も「嗅ぐ(嗅覚)」も「触る(触覚)」も同じプロセスです。

味覚も同じように、舌に存在する味蕾という部分が味を受け取り、それを脳に伝えます。

 

しかし、「食べる」という行為は、味覚だけでは完結しません。

 

これが「食べる」ことが複雑である所以です。

五感が受け取る刺激は瞬間的であり、「味わう」はこれに当たりますが、

「食べる」という行為は、もっと長い時間軸のことを言います。

 

例えば食べている最中にお箸をおいて、携帯を触りメールを打っているとします。

母親が食べ終わったと思って食器を片付けようとしたときに

「まだ食べているからそのままにしておいて」

といった時の「食べている」は具体的な行為を指しているわけではないですよね。

 

ここで、この「時間軸」を横軸に置きましょう。

 

 お腹がいっぱいを判断するのは胃

 

そして、縦になる軸は何か?

食べるだから味覚…?

と、ここで安易に縦軸を味覚にすることのはちょっとストップ!

というのも、皆さん、「お腹がいっぱい」というのをどのように判断するでしょうか。

 

口ではないですよね。

それは胃(お腹)からの感覚です。

 

 

さらには、満足したという感覚(満足感)は、胃から糖分が血液に吸収された血糖値の上昇によって起こります。

この血糖値の上昇の感覚は、どこか明確な一部分というよりも全体的な身体感覚として沸き起こります。

 

 

 

 食事は内受容感覚と外受容感の2つを同時に受け取っている

 

 

五感を通して刺激を外から受け取った感覚のことを「外受容感覚」

といい

胃や血糖値の感覚のように身体の内側から発される感覚のことを「内受容感覚」

といいます。

 

 

 

この外受容感覚と内受容感覚の二つを使いながら、長期的な時間軸の中で、食べるという行為は進められます。

 

時間軸の上に書いているので、

味覚→胃→血糖値の順番で感覚が訪れるように来るように見えますが、

そうではなく

 

これらの感覚は同時に、かつグラデーション的に変化しながら受け取ることになります。

 

 

お腹が空いているというのは胃からの感覚で知覚しますし、

胃の感覚のグラデーション的感覚(お腹が空いているという感覚~お腹がいいっぱいという感覚に変化する感覚)を受け取りながら、一口一口の味覚による感覚を受け取ります。

 

昔から「腹八分目医者いらず」と言われており、

厚生労働省のHPにも腹八分を推奨する記載がありますが、

 

腹八分というのはこのように複数の感覚を駆使して食事を進める必要がある、実は難易度の高い技です。

 

特に内受容感覚は身体の内側から発されるもので、とても微細ですので、

トレーニングしていないとなかなか受け取ることが難しい感覚です。

 

そうすると、結果的に食べ過ぎたり、自分の欲する味(刺激)ばかりを求めることになります。

 

さらには、大人になると思考有意の脳になります。

思考は感覚を鈍くさせます。

子供のころから行ってきた食べるという行為が、大人になればなるほど難しくなるのはこのような理由です。

 

ご自身の食事はいかがでしょうか。

是非自分の食事を見直して、味覚や身体からの感覚を受け取ってみてくださいね。