これで最後です
パネルディスカッションです。
■パネルディスカッション
CMLあるある こんな時どうする
Q.治療計画について話してもらえません、先生に聞いても大丈夫としか言われず不安です。
A.そういう事はなかったです。なかよく病気のこと以外のことも話したりしてます。メモを取って行く事にして、メモを読み上げる感じで聞く。
聞くことが多すぎると困ってしまうことがあるのでは。(司会)
そんなに多いことはない、いくつか聞くことを明示して聞くことにしている。
言いたいことを言ったほうがいいと思う。医者に遠慮する必要はない。お互いリスペクト出来る関係になりましょう(木崎)
実際に説明しない先生ということはありえるのか?(司会)
医師のほうが軽く考えやすく、患者さんはシビアに考えるのでそのギャップがあるのではないか。(木崎)
両方のコミュニケーションを深めるコツは?(司会)
コツは特に無いが、コミュニケーションを取りづらかった事はあり転院した。質問を具体的にするというのも良い手段だと考えている。言いづらいことは家族に言ってもらう(田村)
転院したきっかけは何か?(司会)
しばらくは我慢した。
Q.寛解後休薬を試みる人の割合と状況を知りたい。休薬できる可能性は?
A.基本的には休薬を試みてはいけないのでかなり低い(上に記載)。(川口)
臨床試験上では試験の対象になりえるのが全患者の中で50%、そのうち5年で50%くらいはやめても良さそうな状況。それを考えると25%という状況。(川口)
木崎先生の見解は?(司会)
やめることは推奨しないが、患者自身の判断でやめることもあると聞いている。(木崎)
小児CMLに対しての治療法はどういうものか。(司会)
グリベックが選択される。第二世代のTKIは真っ先に選択される状況ではない。
薬の種類によって成長障害に違いがでるとかんがえられる。
Q.薬を飲んで症状は落ち着いてますが、急変してしまうことがあるのか?
まず落ち着き方のレベルによる。浅いレベルのほうが急変するリスクは高い。ただどのレベルについてもリスクは存在する。ただ、現実的に実際に急変した患者は知らない。薬をやめてレベルが浅くなった時は急変する可能性は高くなる(川口)
変異の確率はどのくらいか?(司会)
CMLの時、細胞には様々な変異が起こってくる、変異についての確率はわからない。ポナチニブが唯一T315Iに対する薬というものが存在する。症状が落ち着くと飲み忘れというのがリスクとしてあるので、そこはちゃんと飲みましょう(木崎)
ポナチニブはどのように個人輸入したのか?(司会)
T315Iにポナチニブがきくというのは一般的なことだが、移植を考えるときに、症状をおちつかせるためにポナチニブをまず飲むことを提案された。
検討している時に、ポナチニブが認定されることになったので、個人輸入を提案された。
個人輸入について病院が許可するかどうかは可能。
購入は病院を通してやったのか?(司会)
最初は主治医を通して購入した。その後は販売会社に直接問い合わせて購入している。
どの病院でも個人輸入して治療することは可能。ただ、情報として知らないとそのような話にならないので情報は大事。
例として、薬疹が出た患者が近所の病院に行ったら、薬をやめることを提案されてやめていたら病状が進んだという話を聞いたことがある(木崎)
Q.薬の副作用の種類と頻度と対処法について教えて下さい。
A.多くの副作用は治療初期に出ることが多い。毎週来てチェックする事が多い。薬疹及び血液障害が多い。血球が減少する。一時期を通り過ぎると回復することが多い。
長期服薬に出る副作用は、まず薬と関係しているかどうかを判明させるのが難しく何とも言えない、今後データが溜まったらわかってくると思われる(川口)
患者の会でも、対処法についての紹介をしているのか?(司会)
患者会からは治療をすすめることはない。副作用について患者にアンケートをとって医療機関に渡したことはある。(田村)
Q.医療情報以外の医療費、行政、福祉の情報。同じ経験をしている人の情報はどこに聞けばいいのか?
A.病院の中でがん相談センターというところがあるので、そこで聞いてみるといい。(田村)
個人輸入はお金の面で大変だったのではないか?(司会)
家族で相談して決めました。
Q.民間療法や健康食品の情報をどう判断したらいいか?
A.サプリや健康食品も健康を維持する面で問題ない。ただし、TKIの効果を阻害するものがあるのでそこは注意が必要。(川口)
やめたほうがいいという先生もいるがどう思うか(司会)
正直なところわからないので、積極的に進めることはないが、やめさせることもない。ただ高額なものもあるのでそこはおすすめしません(木崎)
Q.家族、友人、会社にどのように伝えればいいか?
家族には話しました。
旦那のほうがこたえてしまうケースもあるがどうだったのか?(司会)
本人が元気だったので、心配しなかったのではないか。
子供がCMLというのはどう対応したのか。(司会)
学校の先生には説明したが、生徒には伝えていない。元気なのでわざわざいう必要がないと判断した。あとは本人に任せました。
友人やママ友には自分から話したくて話している、なぜなら治療成績もよく慣れてきた。
就職のときにどうしたらいいか知ってますか?(司会)
若い方はすぐ仕事をやめてしまったかたもいたが、そういう判断はしないでもらいたい。
あとは、就職試験で病気のことを伝えると、落とされる事が続いてだまって就職した。そのへんは嘘も方便じゃないけど、やれるだけやっていいのではないかと思っている。
Q.家族には何が出来るのだろうか。
A.基本的には患者さんの周りの人が明るくしていると良いと思うが、疲れてしまうこともある。やるべきことはしっかりやる。現状の状況と将来どうするかというところを考えておく。先手を打っておいてそれ以外は病気のことを忘れて楽しむようにしている。
患者の会にも問い合わせはあるのか?(司会)
情報を正確に取るのは大切だが、上に出てくるのは広告なので広告に惑わされないで自分の目で内容を判断してください。臨床試験の情報を知りたいけど出てこない。ポナチニブは臨床試験中なので、治験に入るというのもあるので、お知らせしておきます。
Q.妊娠・出産は可能ですか?
A.妊娠を契機に発見されるケースもよくある。奇形性があると言われているので服薬中に妊娠することはできない。
またどの時点で奇形への影響があるかもわかっていない。悩ましいのは妊娠と同時に病気が見つかった場合はどうするか悩ましい。10ヶ月治療せずに進めることもある。(木崎)
3例の出産のケースを経験している。
1.妊娠中にCMLが見つかったケース、インターフェロンに切り替えて無事に出産された。
2.出産を計画的に考えてインターフェロンに切り替えて出産。
3.治療中に妊娠してしまったケース。最初の器官形成期(妊娠初期1/3くらいの時)に薬を飲んでいると奇形のリスクが高い。どうしようか迷っている(川口)