こんな記事を見つけたので転載します。



しつけが行き届き、どこへ行っても「○○ちゃんはいい子ね」と褒められる我が子。「いえいえ……」なんて謙遜しつつ、親としては鼻たかだかですよね。

でも、『WooRis』の「専門家が太鼓判!“乱暴な子ども”ほど実は健全だった」という記事でもお伝えしたとおり、子どもとは本来、大人を困らせるようなことばかりしたがるもの。“非の打ちどころのないいい子”というのは実は不自然で危うい面を抱えているのかもしれません。 育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏も「“いい子”とは“親にとって都合のいい子”にすぎず、のちのち問題が発現することがある」と警鐘を鳴らしています。 一体、“いい子”の何が問題なのでしょうか? おおたさんの著書『ガミガミ母さん、ダメダメ父さんから抜け出す68の方法』をもとにお届けしたいと思います。


■しつけの行き過ぎは“子どもの抑圧”につながる おおたさんは、大人からよく「いい子」だと褒められる子について、以下のように解説しています。 「しつけが行き過ぎると、子どもは自分を表現することをあきらめ、大人の価値観や期待に沿うことを最優先課題として自らの行動を決めるようになります。心理学的には“抑圧”といいます。極端にいえば“精神的な去勢”です。 こうなると自分らしく、たくましく生きるということができず、他人の人生を生きるような人になってしまいます」 “精神的な去勢”とはかなりショッキングな言葉ですよね。でも、心理学や教育学の世界では“いい子”は要注意とされているとのこと。実際に、親の価値観や期待に沿うことばかりに心を砕いてきた“いい子”は、思春期以降に不登校や非行などの問題行動を起こすことが多いのだそうです。 思春期は、親の価値観から離れ、自分の価値観によって自我を確立していこうともがき苦しむ時期。親の意思や考え、判断の影響にドップリ浸かっていると、自立のプロセスがうまくいかないばかりか、これまでの反動で暴発してしまうおそれがあるということです。


■手遅れになる前に“子どもらしさ”を尊重しよう “いい子”といわれる子の親は、きっと“よかれ”と思って、子どもをしつけてきたのでしょう。もちろん、子どものしつけは親の義務。子どもの好き放題させることがいいわけではありません。 ただ、「もしかして、しつけの行き過ぎで“抑圧”していたのでは?」と心配になってしまった人は、この機会に自分の子育てのあり方を客観的に見直してみてください。 自分にとって都合のよい子に育てようとしてないか? まわりの大人から褒められることを目的に子育てしていないか? 子どもを自分の操り人形にしていないか? もし、心当たりがあれば、子どもの一挙一動に目を光らせて型にはめようとする習慣を改め、我が子の“子どもらしさ”を大切にしましょう。 親の言うことを聞かない“やんちゃ”よりも、手のかからない“いい子”のほうが要注意です。これまでうまくいっていたつもりの子育て方針を急転換するのは難しいでしょうが、どうか少しずつでも子どもに対する見方や接し方を変えてみてくださいね。