証券会社の引受審査部の方々と打ち合わせをしました。
現在担当している、すでに上場準備会社の現状について意見交換。
確認されたこと→ 上場は1年延期せざるを得ないだろう。
少し前から私たちのチーム内では、今期は無理そうだな・・という話は出ていましたが、主幹事証券会社の方とも今日はっきり認識を共有した感じでした。
業績はそんなに悪くありません。
解消しておくべき取引その他の関係も順調に整理してきました。
じゃあ、何がネックなのか?
以下の2つが何より決定的、でした。
1.月次予算実績管理の精度が低いこと
・・予算数値と実績の乖離は、年度でつじつまが合えばいいというわけではなく、投資家の判断材料として各種予想数値も適時に開示する必要がある上場会社には月次ベースでの高い精度が求められます。
そもそも実績とかけ離れた予算を設定してしまう、ということは、会社は自身の状況の把握・分析が客観的にできていないということでもあります。
2.決算を事実上自社内でできる体制にないこと
・・管理部門の人員が足りておらず、決算作業の大部分を社外のリソースに頼らざるを得ないため、補充しなければとても上場後の開示制度にはついていけない。(これはずっと指摘し続けてきたことだが、今になっても改善されていない)
特に2.について・・固定費の増加を嫌って間接部門のコストは絞るだけ絞るという会社は結構多いですが、会社の成長に本来的に必要な管理部門の人件費もきちんと吸収した上で利益を出すというのが公開会社のあるべき姿で、東証のスタンスも、管理コストはコストではなく投資であって、そこを理解できない会社は上場しなくてよい、という方向になっているようです。
たくさんの人から大事な資金を出してもらって事業を行うのですから、きちんとした報告体制を整備して実施していくのは上場している会社の最低限の義務なわけです。・・そんなことを改めて認識させられた今回の打ち合わせでした。