秋なので、週末、行きつけの中国茶屋さんで読書をしました。

このお店にはひとりで行くこともふたりで行くこともありますが、大概2時間くらい居座っているので、店員さんともすっかり顔見知りになってしまい、ちょっと間があくと、お久しぶりですねって言われてしまいますあせる


中国茶屋


このお店ともうひとつ近所のカフェ(ここもかなり素敵な雰囲気)をハシゴして読んだ本、それは・・「粉飾の論理」・・。


「ライブドア監査人の告白」も少し前に読んで、かなり身につまされる気持ちになりましたが、今回の本は・・とにかく空恐ろしかった・・。

粉飾の論理っていうか、「裏経済の構図」とか「闇社会の住人」とかいうサブタイトルが付きそうな内容。

第Ⅰ部カネボウの罪、第Ⅱ部メディア・リンクスの罰、第Ⅲ部監査法人の死、の3部構成で、公判内容や取材等から記者である筆者が、何が起こっていたのかを解き明かしています(登場する会社・人物は全部実名!)。


第Ⅰ部・第Ⅲ部もさることながら、私が最も衝撃だったのは、メディア・リンクスの第Ⅱ部でした。

この会社が行った、いわゆるグルグル取引(=架空循環取引)というのは、何社もの同業者にひとつの商品をちょっとずつマージンを乗せてグルグル回していくもので、最終ユーザーがいるわけではなく、取引の全体図は環のようになっていて、結局最後は自分のところにマージンで膨れ上がった商品が仕入として戻ってきます。

実態のない売上を結局はそれ以上の金額で仕入れるわけなのでいつか破綻のときがやってくるのは目に見えています。


この事件を契機に、公認会計士協会から「情報サービス産業における監査上の諸問題について」という報告書が公表されたということもあり、監査をしている会計士なら誰でも知っている話なのですが、水面下で起こっていたコトの詳細を知って、あまりの生々しさにぞっとしました。

業績や資金繰りで弱っている会社の当事者が粉飾や不正、インサイダー等の諸々の誘惑に駆られやすくなるのは想像にかたくないですが、そこにつけこんでくる闇社会の住人たちが実際にこんなにいるのか!という感じで、会社は最後はほんとに文字通りぼろぼろ(手形乱発、架空増資による株券の裏流通など、カレラの資金繰りのためだけに存在していたようなもの)になって消滅してしまいました。


新人の頃、とある女性上司に、ナニワ金融道とか読んでおいたほうがいいよ、と大真面目にアドバイスされたのをふと思い出しました。

・・激しく納得ショック!

いろいろな可能性を知っておかなければならないんだと強く感じました。