被ばくと言うものがどういう事なのか、詳しく知らないなと思い少し調べて書いています。
wiki、電力会社、専門機関などのサイトから調べ、今知っておこうと思う部分について専門用語などは調べてそちらに書き換え、自分用にまとめていっています。
今後の原発関連のニュースを見る上で知っておいたら良いかなと思う用語や基礎知識的なものを自分の備忘録として残しておきます。

解釈などに誤りがあれば指摘して頂けるとありがたいです。

■漢字と意味
「被曝」で、その意味は放射線を浴びる事。
「被爆」(爆発の爆ね)は、爆発を受ける事。

【放射線】
電離性(原子から電子を放出する事)を有する高いエネルギーを持った電磁波や粒子線の事を言う。
放射線は大量に浴びると細胞の遺伝子が傷つきがんなどの病気を引き起こす。

【放射能】
「放射線」を出す「能力」


■被曝の種類
外部被曝:人体表面からの被曝
内部被曝:経口摂取した放射性物質による人体内部の被曝

■被曝から身を守る為に
1:放射線を遮る
2:放射線源から距離をとる
3:被曝する時間を少なくする

「屋内待避」の指示が出た場合
・射性物質が飛散している外気が室内に入らない様に、ドアと窓をしっかり閉める。
・エアコンや換気扇も切る。

「避難」の指示が出て外に出る場合
・放射性物質が鼻や口、皮膚の傷口などから体内に入る「内部被曝」を防ぐことを心がける。
・ぬれタオルで鼻や口を覆う。
・皮膚を露出しないような服装にする。
・風向きに注意し、風下に入らない様に注意する。

■万が一被曝が確認された場合
外部被曝:衣服を脱ぐ、濡れタオルで拭き取るなど、周囲への拡散を防ぐ
内部被曝:排出を促す薬を用いる
※いずれも災害対策本部の指示に従う



■ニュースなどで使われる単位
今回はよく使われている「シーベルト」「グレイ」の2種。

【グレイ(Gy)】
吸収した放射線のエネルギーの総量(吸収線量)を表すSI単位(国際単位)
単位質量当りの物質が放射線によって吸収したエネルギーを表す。

【シーベルト(Sv)】
人体が吸収した放射線の量を数値化したもの。
報道などではシーベルトが主に使われている様子。

【ナノグレイ毎時(nGy/h)】
空気中の放射線量を監視する「モニタリングポスト」の指示値。
1時間あたりの放射線量を示す物。
ナノは10億分の1

1Gy/h=0.85Sv/h


■生体への被曝の大きさと影響
※単位はミリシーベルト(msv)
[0.05msv]
原子力発電所の事業所境界での一年間の線量。

[0.1~0.3msv]
胸部X線撮影。

[1msv]
一般公衆が一年間にさらされてよい放射線の限度。
放射線業務につく人(放射線業務従事者)(妊娠中の女子に限る)が妊娠を知ったときから出産までにさらされてよい放射線の限度

[2msv]
放射線業務従事者(妊娠中の女子に限る)が妊娠を知ったときから出産までにさらされてよい腹部表面の放射線の限度。

[2.4msv]
一年間に自然環境から人が受ける放射線の世界平均。
これが現在の私達の平均量

[4msv]
胃のX線撮影。

[5msv]
放射線業務従事者(妊娠可能な女子に限る)が法定の三カ月間にさらされてよい放射線の限度。

[7~20msv]
X線CTによる撮像。

[50msv]
放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が一年間にさらされてよい放射線の限度。

[100msv]
放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が法定の五年間にさらされてよい放射線の限度。
放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が一回の緊急作業でさらされてよい放射線の限度。妊娠可能な女子には緊急作業が認められていない。

[250msv]
白血球の減少。(一度にまとめて受けた場合、以下同じ)

[500msv]
リンパ球の減少。

[1,000msv]
急性放射線障害。悪心(吐き気)、嘔吐など。水晶体混濁。

[2,000msv]
出血、脱毛など。5%の人が死亡する。

[3,000~5,000msv]
50%の人が死亡する。
(人体局所の被曝については3,000:脱毛 4,000:永久不妊 5,000:白内障、皮膚の紅斑)

[7,000以上msv]
99%の人が死亡する。


(↓は私個人の判断で、上記内容の表現を下記の様に捉えています)
・「さらされる」=人為的な何かなど「被曝」
・「受ける」=生活の中で受ける自然的なもの
・放射線業務従事者→防護服着用
・一般公衆→防護服無し


【自然環境から受けている世界平均2.4の内訳】
「吸入」「食物」「大地」「宇宙線」
半分以上が吸入によるもので、人体に影響を与える事はない。
吸入時の主だった成分は「ラドン」

【ラドン】
放射線源(放射性同位体)として利用されていたが、現在は他のもの(コバルト、ストロンチウムなど)に置き換えられている。

【ラドン温泉】(←これは漠然と気になっただけなのですが入れました)
ホルミシス効果と言う通常「有害」とされる物質も微量であれば良い作用を起こすと言う概念により、痛風、血圧降下、循環器障害の改善や悪性腫瘍の成長を阻害するなどと行った効能があると考えられているが、この根拠に基づいた医学的治療は行われていない。




■3/12日時点の東京電力の発表について
「1時間あたり1015マイクロシーベルトの放射線を確認し、その2分後にはほぼ半減した」

との事。
1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルトなので、1015マイクロシーベルトは、一般人の年間被曝線量の限度を、1時間で浴びる放射線量に該当する。
なお一般人が平均的に浴びる放射線量は1時間あたり0.05マイクロシーベルトである。
胃のX線は4000マイクロシーベルト(4msv)

※チェルノブイリでは事故から24年経過した2010年12月での時点で、3500ミリシーベルトが確認されているとの事。(3500ミリシーベルト=3500000マイクロシーベルト)



■放射線を浴びた場合の影響の種類
  →晩発障害(影響)と急性障害(影響)

【.晩発障害】
急性障害が現れないような弱い放射線を受けたあとに、何年または何十年後に現れる症状で「がん」「白血病」「放射線白内障」など。

「国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告」によると、1Svの放射線被曝をしたときに生涯のあいだに生じる致死的なガンの発生確率は0.04%と報じられている。
  
【急性障害】
急性障害は、一般的に細胞分裂の盛んなところほど感受性が高くなり、人の組織では骨髄やリンパ節、生殖腺、腸管、皮膚などに影響が現れる。
症状として下痢・嘔吐、発熱や白血球・リンパ球の減少や、やけど、脱毛など。
全身に7Gv(7,000mGy)の放射線を浴びると生存不可能ですが、体の一部であれば必ずしも致命的にはならない。

【影響:単位はミリシーベルト】
250以下:ほとんど臨床的症状無し
500:白血球(リンパ球)一時減少
1000:吐気、嘔吐、全身倦怠リンパ球著しく減少
1500:50%の人に放射線宿酔
3000:5%の人が死亡(骨髄障害)
4000:30日間に50%の人が死亡
6000:14日間に90%の人が死亡(中枢神経障害)
7000:100%の人が死亡



■原発事故例と国際原子力事象評価尺度(INES)
レベル7:深刻な事故:【事例】チェルノブイリ原発事故(旧ソ連、1986年)
レベル6:大事故
レベル5:所外へのリスクを伴う事故:【事例】スリーマイル島原発事故(米国、1979年)
レベル4:所外への大きなリスクを伴わない事故:【事例】JCO臨界事故(茨城県東海村、1999年)
レベル3:重大な異常事象:【事例】バンデロス発電所火災事故(スペイン、1989年)
レベル2:異常事象:【事例】美浜原発2号機蒸気発生器伝熱管損傷(福井県美浜町、1991年)
レベル1:逸 脱:【事例】高速増殖炉「もんじゅ」ナトリウム漏洩事故(福井県敦賀市、1995年)
レベル0:尺度以下

発表では現在レベル4とされている。