16世紀、宗教改革前

パリのカルチェ・ラタン(大学街)を舞台に

大手船会社の次男でパリ夜警隊長の

ドニ・クルパンとその仲間が

「ゾンネバルト事件」を解明していく話


仲間のうちでも、特に重要なのが

マギステル・ミシェルという人物

パリ大学神学部きっての俊才で

ドニ・クルパンの師匠的な存在


他の仲間も

イニゴ・デ・ロヨラ(イグナティウス・ロヨラ)

ジャン・カルヴァン

フランシスコ・ザビエル

などの豪華キャスト


この本の中で特に印象的な言葉は

「自己矛盾」

※自分自身の内部で、論理や行動がくいちがうこと


これは、物語の終盤にミシェルが

かつては師と仰いだが

自らの欲望を選ばれたる人間の責務といい

自らを神と言ってはばからない

ゾンネバルト教授に対し発するもの


ゾンネバルト教授は自己矛盾に陥ることにより

狂気ともいえる行動にはしりましたが

自己矛盾は自己否定にもつながると思え

自己矛盾を上手く克服(封印?忘却?)できないと

おかしくなったり、そのまま矛盾の中に留まってしまったり

必要以上に自分がダメに思えたり

するのではないかという気がしました。


この「自己矛盾」というのは

特に難問にぶつかったりというおおげさな場合ではなく

日々の中でも大なり小なりあるものに思え

自己矛盾を認識せずに陥ってしまうと

それはさらなる自己矛盾を生むような気もしました。


自己矛盾に対して、できれば克服し

克服できなければ封印し

どうにもならなければ忘れてしまう

などの適切な対応をするためにも

(ほんとに適切かはわかりませんが)

まずは自己矛盾を認識するということが

もっとも重要なことのような気がします。

認識がないから陥るということになるように思うので・・・


以上、本の感想というにはあまりにも

部分的なことに対しての勝手な考えでした。


そもそも、この本を読もうと思ったのは

著者 佐藤賢一 

の本を読みたかった為でした。


アル・カポネに関する本を読みたくて

「カポネ」を見つけて読んだところ面白かったので

著者に興味をもちプロフィールをみてみると

年も1つしか違わない地元庄内出身で山形大学卒業の人と知り

ますます興味をもったことから

内容はなんでもよかったので

この人の書いた本の中から

表紙が気に入ったこの本ということになりました。


最初、内容をぱらぱらっと見たときは

フランス? ザビエル?

えーッ???  

て感じでしたが、読み始めると

全437ページ苦もなく読めましたし

次もフランス関係いっときたい気分になってます。




おまけ


きょうはリッキーが病院に行き

風邪薬をもらってきたそうです。

やっぱり犬も風邪ひくの??


かぜひきリッキー