強いブランド力の取り込みへ 買収戦略を加速させるセブン | ☆___________「財界」日本経済を斬る!!!

強いブランド力の取り込みへ 買収戦略を加速させるセブン


ニッセンやバーニーズなど、昨年12月だけで4件目



セブン&アイ・ホールディングスがM&A戦略を加速させている。



2013年末、同社は雑貨専門店「Francfranc(フランフラン)」を運営するバルスとの資本業務提携を発表した。今年1月中にバルスが発行する第三者割当増資を引き受け、50%弱の株式を取得。取得額は50億円程度とみられる。バルスの売上高は約300億円。かつては上場していたが、12年1月にMBO(経営陣による買収)で非上場になっていた。


セブン&アイ・ホールディングス社長の村田紀敏氏は会見で「以前から興味があったブランド。お客さまが求めるものをどう提供していくのか、今後は顧客との接点を数多く持つことがより重要になる」と語った。



フランフランは2030代の女性を中心に、デザイン性の高い雑貨商品の開発・販売で人気の店。今後はセブン&アイ・グループの百貨店やショッピングセンターに出店。これまで手薄だった雑貨店の強化を図り、集客につなげたい考えだ。



13年の12月に入って、セブン&アイのM&Aが相次いでいる。バルスの他にも、通販のニッセンホールディングスや高級衣料品店のバーニーズジャパン、岡山が地盤のスーパー・天満屋ストアに相次ぎ出資。ただ出資額は約300億円だから、財務的にはまだ余裕がある。



「まさか短期間でここまで急激に仕掛けるとは……」(イオン関係者)。M&Aで規模の拡大を図るのはライバル・イオンの代名詞でもあったが、そんなライバルをも驚かせる急速な買収劇。



セブン&アイは目下、既存のイトーヨーカ堂やセブン─イレブンなどのリアル店舗網とネットの融合を図る「オムニチャネル化」を進めている。同社はコンビニ頼みの構図が長年続き、グループの総合スーパーや百貨店は低迷が続いている。それだけに高いブランド力を持った店舗と協業することで、集客増を狙う考えだ。



ネットとの共存、そして、4月の消費増税にどう備えるかは、全ての企業にとって最大の課題。M&Aで傘下にした企業のブランド力を取り込み、事業基盤の強化を図る同社である。