yureru




時折、といってもホントに稀なことなんだけど

後世語り継がれるであろう(といってもそんなことその時点では意識してないのだが)映画やライブに運よく出くわすと、しばし形容する言葉を自分の中からひねり出すことができずspeechlessな状態になって会場を後にすることがある。

そしてそれを生み出した当の本人が同年代(しかも可愛い女性)だったとなると、なんとも言いようのない嫉妬心がふつふつと沸きあがってくる。(身長が一年でグンと伸びる中学生男子をまじかで見てるような)

西川美和監督による前作「蛇いちご」に続く長編第二弾となる「ゆれる」。かなり話題になってますが、ようやく観てまいりました。(ようやくっていうか、込みすぎなんだもんプンプン)

アチキは是枝監督の作品はドキュメンタリーも含めてほぼ全部観ている是枝フリークのため、是枝ファミリーの作品は最初から唾つけてて「蛇いちご」もなかなかの秀作ではあったのですが、二作目となる今回ここまで伸びてくるとは思わなかった。恐れ入りました。ホップステップジャンプのステップでの歩幅が凄すぎです。これは将来の邦画界を背負ってたつ逸材となるんじゃないか?

先日の「ハチクロ」ではネタバレなことも書いちゃったけど、ここでは控えておきまする。なんか大きな生だこがあたまにピタッと付着したままのような状態で、一度ひっぺがして距離をとらないと書けないような感じで。あと画面の中で重要なメタファーがいくつも差し込まれているのですが、自分が気づかずにいる何かがまだあるような印象。また原作の小説(監督自ら執筆)を読むとまた印象が変わると知り合いが言うので、それもトライしてみたい。

主役の二人の演技は圧巻でした。アチキは長男なので兄の稔サイドに立って観るクセがあったと思うので、弟のズンズン次郎ならどう思ったか聞いてみたいなぁ。

オダギリもいままでで一番よかったなぁ。アチキの知り合いに有名になる前の彼とむかし同○してた俳優さん(おとこ)がいるけど、ふつうの人だっていうんだよなぁ、まあそのほうがいいのかな。


(余談)

自分が覚えている弟との一番古い記憶って幼稚園の頃。ここで時折書いているボルネオの幼稚園に弟が入ってきて、外人の先生と生徒ばかりだったのに面食らったのか?弟を先生に預けて立ち去ろうとする母親の車を泣きながら走って追っかけていったんだ、門を飛び出したままかなり長い距離を。母親はバックミラー越しにそれを見やりながら、現地での生活に投げ込む覚悟を決めていたのか?アクセルを踏み込み車を加速させた。自分は囚われた宇宙人みたいに大きな外人のおばさん先生に寄り添ったまま長男らしく平静を装っていた記憶がある。

(とはいってもこれも両親らの思い出話が積み重なって生まれた“偽りの記憶”かもしれないんだけど)

兄弟って不思議なものだ。遺伝子的には似ているんだけど、与えられた環境で随分と変わってくる。