一昔前、仕事で赴いた時に地元の方から教えて貰いました。
いただいたのは墨痕鮮やかな達筆(縦書き)だったので、ブログの横書きには不向きでしょうが、できる限り書かれていた様に載せました。

目にした当時もスゴイと思いましたが、年をとって読んでみたら気付かなかった事がたくさんありました。

歴史なので市役所に著作権等の相談をした結果、詳しい資料をくださるとの事で後日修正するかも知れません。
御了承の程、よろしくお願い致します。
 国は日向の佐土原城下
  少し下りて佐賀利の村に

 古月禅師という上人が
  おときなされしいろは口説の
 前唄からはじめられる



イ 幼(いとけな)きをば愛して通せ
ロ 老を敬い無礼をするな
ハ 腹が立っても過言はいうな
ニ にくみ受くるも我心から
ホ ほめてもろうば高まんするな
へ 隔て無きをば遠慮に思え
ト 隣近所に不通をするな
チ 近き仲にも又垣をせよ
リ 理屈有るとも皆まで言うな
ヌ 主によりては大事な事よ
ル 流浪人をばあわれみ通せ
ヲ をわり果てねば我身は知れず
ワ 若き間はその道々は
カ 稼業大事と浮世を守れ
ヨ 善きも悪しきも人事言うな
タ たとへ貴きも又いやしきも
レ 礼儀正しく浮世を渡れ
ソ 粗略者じゃと言われぬ様に
ツ 常に心が大事な事よ
ネ 寝ても覚めても只正直に
ナ 何が無いとて世を恨むるな
ラ 楽なみすぢは一人も無いぞ
ム 報い報いで貧富はあるよ
ウ 恨みあうなよ此の世の事を
ヰ 今の難儀を思はばなおも
ノ 後の世が又大事な事よ
オ 親へ当てつけ不幸をするな
ク 国の掟は大事に守れ
ヤ 役をするなら正路にさばけ
マ まなこかすめてどんよくするな
ケ 剣の地獄へ此の世へおつる
フ 不実落度の祖のその有る時は
コ ここに日頃の恨みがござる
エ 栄よする身は苦を見るえよ
テ 手前良きとて意見をするな
ア 悪しき事なら必ずよけよ
サ 酒をまいらば内場にあがれ
キ 聞いてにしなめ浮世の事よ
ユ 油断するのは落度のもとよ
メ 滅多無性に貪欲すれば
ミ 店を滅ぼし人滅ぼすよ
シ 知らぬ事なら大事に思へ
ヱ ゑらびざりけり諸芸の道を
ヒ 日頃心をつくして習へ
モ 文字書かねば愚鈍な者よ
セ 世間知らねば浮世も知れず
ス すぐに心を晴らして習へ


  京も田舎もおしなえて
   上下万民心に懸けよ

   道歌
  ひとときも仇には
      なさじさりとては
   逢い難き身の暮れ易き日は