ブログをご訪問くださいまして、有難うございます。
このブログをご覧くださっていらっしゃる全ての皆様に、良き事が雪崩れのごとく起こる事を、お祈りさせていただきます。

さて、東京地方は急に寒くなって参りまして、本格的な冬モードに突入した感じがあるんですが、皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか?
個人的には早くも風邪を引いてしまい、ブログの更新が遅くなってしまいました。
申し訳ありませんでした。

今回のブログは、「モネ展」について取り上げさせていただきます。

このモネ展ですが、正式なタイトルは「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」になります。
つまり、数あるモネの作品の中でも、この美術館が持っているモネなどの作品が展示されている、と言う事なんです。

そして今回の目玉は、何と言っても1872年に描かれた「印象、日の出」と、代表作「睡蓮」が多数展示されている事でしょうか。
ところが、あろうことか「印象、日の出」は、会期の終了を待たずしてこの作品のみ展示が終了してしまっており、せっかく行ったのに見れませんでした・・・ぐぬぬ。
そう言えば、この作品だけ早く展示が終わってしまう事をどこかで見たような気もするんですが、すっかり忘れていました・・・がっかり。

まあ、それはともかく展示されていた作品の中から、幾つか取り上げさせていただきます。
まずは、こちらです。
モネ1 
これは、「アドルフ・デヌリー」と言う作品で、1858年に描かれたものです。
この当時のモネは、今の日本で言えば中学生ぐらいに当たります。

ご覧になってお分かりのように、この頃のモネはこう言ったいわゆる風刺画を描く事が得意でした。
風刺画と言えば、現代の日本でも雑誌や新聞に載っていたりする事があるかと思います。

モネは当時から絵の才能があったのですが、最初はこのようなものを描いていたようです。

続きましては、こちら。
モネ2 
こちらは、「女性の頭部」と言う作品で、1862年~1868年に描かれています。

最初は風刺画ばかり描いていたモネですが、その絵を見た人から本格的に絵を勧められたようです。
そして、その当時に描いていた作品の一つがこちらになる、と言う訳です。

この頃のモネは、まだ印象派の画風とは異なっていました。
このように、大抵の画家は、その生涯で作風が何度も変わるのが普通です。
むしろ、以前ご紹介させていただいたシスレーのような人の方が、珍しいんですね。

そして、次はこちらです。
モネ3 
これは、ウジェーヌ・ブーダンの「浜辺に上げられた舟」と言う作品です。

マルモッタン・モネ美術館には、モネ以外の作品も所蔵されており、このブーダンの作品もその一つになります。
モネは美術作品のコレクターでもあり、こうして残されているものが結構多くあるんです。

その中でこのブーダンを選ばせていただいたのは、彼がモネに多大な影響を与えたからです。
具体的に言いますと、この作品などもそうですが、当時は屋外の風景を描く、と言う事はまだ珍しい事でした。

バルビゾン派などごく一部の人達は写生と言うものを始めていましたが、モネが屋外の絵を描くようになったのは、このブーダンの影響が大きいと言われています。

そして、こちら。
モネ4 
これは、「鉄道橋、アルジャントゥイユ」と言う作品で、1874年に描かれています。
この頃が、モネが印象派の中心メンバーとして活躍していた時期です。

印象派の特徴は何度も申し上げていますので簡単にお話させていただくと、
・筆をキャンバスの上に筆を置くように描く
・絵の具の色を混ぜて使う
・屋外や一般庶民をモデルとした絵を描く
などになるでしょうか。

小さくて分かりづらいと思いますが、この作品など印象派の特徴がよく出ていると思います。

さらに、こちら。
モネ8 
これは、「ヨーロッパ橋、サンラザール駅」になります。
描かれたのは、1877年です。

この作品をご覧いただくとお分かりかと思いますが、当時のフランスではすでに蒸気機関車が走っており、4~5階建てのビルも建設されています。
産業革命が起こっていたんですね。

なお、先程「印象、日の出」について触れましたが、この作品に印象と言う言葉が使われていたので、モネのような作風の作品を「印象派」と呼ぶようになった、象徴的な作品なんです。

それまでの古典的な絵の描き方とは異なり、それ故当時主流だったグループからは爪はじきに遭ってしまい、自分達で独自の展覧会を開くなどの活動をしていました。
まあ、一種の革命ですよね。

そんなモネも、次第に作風に変化が見られます。

次の作品は、こちらになります。
モネ5 
これは、「睡蓮」と言う作品で、描かれたのは1903年です。

モネはその後半生を、広い庭のある家に住みます。
そして、庭の景色をモチーフとした作品を、多数残しています。

この「睡蓮」も、その一つです。
ただし、同じ「睡蓮」でも、日を変え時間を変えて、いくつもの作品を残しています。

そのうちの一つが、こちらです。
モネ6 
これは、同じ「睡蓮」でも1916~1919年の作品です。

このように、多数あるモネの「睡蓮」をまとめて見れるのが、今回の展示の大きな特徴の一つになります。

ご覧いただくとお分かりになりますように、印象派時代のモネとは作品の趣きが違って来ていますよね。
ですので、モネを「印象派の画家」と定義づけしておいて、その一方で代表作を「睡蓮」とするのは、少々疑問を感じます。

そして、印象派とはさらに大きく異なっているのが、こちらです。
モネ7 
これは、「日本の橋」と言う1918~1924年の作品です。

モネの庭には日本風の橋があったそうなんですが、この作品はその橋を描いたものになります。

と言っても、どれが橋だか分かりにくいですよね。
まあ、実際に作品を目にすると、もう少し「これが橋なのでは?」と想像出来るんですが・・・。

このように、当時のモネは、次第に時代の潮流になって来たキュビズムの影響を受けていたようです。
まあ、このように一人の画家も、時代と共にその作品も変化して行く、と言う事なんでしょうね。

以上、展示作品を通してモネの生涯を振り返るような形になりましたが、皆様いかがだったでしょうか?
今回は、展示の意図するところが非常に分かりやすかったせいか、ブログもとても書きやすく感じました。

今回も最後までお読みくださいまして、有難うございました。(^◇^)