この度はお忙しいところ、このブログにお立ち寄りくださいまして、有難うございます。
このブログをご覧くださっていらっしゃる全ての皆様の、ご健康とお幸せを、心よりお祈りさせていただきます。

 

なお、先日の鳥取大地震で被災された方々に、お見舞い申し上げます。

一刻も早く、元の生活に戻れますように、心よりお祈りさせていただきます。

 

と言うか、実は鳥取県には知り合いがいまして、地震の後お見舞いのメールを送らせていただきましたが、反応がありません。

メールどころではない、だけで、無事ならば良いのですが・・・。

 

ところで先日、東京・六本木にあります国立新美術館で開催中の「ダリ展」に行って来ましたので、今日はその様子をお届けさせていただきたい、と思います。

 

では、展示されていた作品のうち、何点かをご紹介させていただきます。

まずは、こちらになります。

これは、1919年に描かれた作品で、タイトルは「アス・ピアンクからのカダケスの眺望」と言います。

 

サルバドール・ダリは、1904年スペインに産まれています。

そして画家の道を目指して美術学校に通い、1925年にはマドリードで初の個展を開いています。

ですので、この作品は個展以前に描かれている事が分かります。

 

すでにこのブログでご紹介させていただいておりますが、19世紀後半のヨーロッパ画壇では、印象派が大きな潮流となっていました。

この作品も、筆遣いや色の使い方などに、印象派の影響を感じる事が出来ます。

 

では、次の作品に参りましょう。

こちらは、「キュビズム風の自画像」と言うタイトルで、1923年の作品です。

そしてこの作品、カンヴァスではなく、板に貼り付けた厚紙に描かれています。

 

今回展示されていますダリの作品の特徴として、このようにカンヴァスではなく、板または板に貼り付けた紙に描かれた作品が多い事が挙げられます。

勿論、絵の具の塗り方にもよるとは思いますが、板などに描かれた作品は、何かペンキを塗ったようになめらかで平面的な印象を受けました。

 

なおこの作品、タイトルにもありますように、キュビズム的な要素が色濃く出ています。

キュビズムと言うのは、立体を平面的に描いたりしています。

またこの作品のように、コラージュを貼り付ける事もあります。

 

続いての作品を紹介させていただきます。

こちらは、1926年に描かれた「巻髪の少女」と言う作品です。

この作品も、板に描かれています。

 

ダリについて紹介している文章などを読ませていただくと、「シュルレアリスムを代表する画家」と言う表記が目立ちます。

後に舞台美術や衣装なども手掛けるダリですが、やはり代表的な絵画作品には、シュルレアリスム的な物が多いからかも知れません。

 

そして、ダリの描くシュルレアリスム作品は、建物や樹木などのない、荒涼としたまるで砂漠のような絵画が多いようです。

 

この作品はシュルレアリスムとはされていませんが、作品にそれを予告する要素が感じられます。

 

では、次に参ります。

これは、1929年に描かれた作品で、タイトルを「子ども、女への壮大な記念碑」と言います。

 

この頃から、ダリは本格的にシュルレアリスム的な作品を描くようになって行きます。

シュルレアリスムと言うのは、徹底的に現実を排除し、無意識や夢を表現の中心に置いています。

ジョルジュ・デ・キリコの作品の影響が大きい、とされています。

 

そしてこの作品ですが、「溶ける」が一つのテーマになっているようです。

ただ、画面中央に小さく描かれている女性が、ダヴィンチの「モナリザ」に似ているような気がしてなりません。

後年のダリの作品で明らかになって来ますが、ダリの古典作品への敬愛の一端が窺えるようです。

 

続きましては、こちらになります。

こちらは、「パラノイア」と言う作品で、1935年に描かれています。

 

このブログをご覧くださっていらっしゃる皆様は、この作品にどんな印象をお持ちでしょうか?

筆者は、女性の胸像が浮かびました。

 

胸像なんですが、頭の部分がありません。

そして、頭の部分には3人の人間が立っています。

まるで、頭の中で考えている事が表現されているようですね。

 

ちなみに、「パラノイア」とは妄想を続ける精神疾患の事です。

ですから、頭が妄想でいっぱいになっている、と言いたいのでしょうか?

 

そして、次にご紹介させていただきますのが、この作品です。

こちらは、「謎めいた要素のある風景」と言うタイトルで、1934年に描かれています。

ちなみに、この作品も板を使用しています。

 

この作品、先程の「巻髪の少女」の所で紹介させていただいた、ダリの特徴がよく出ていますね。

つまり砂漠ではありませんが、風景全体が荒涼としています。

 

ちなみに、絵を描いている人物は、フェルメールだと言われています。

ダリは、数ある画家のうちフェルメールに一番高い評価をしていますから、それももっともだと言えると思います。

 

そして、その右上の小さな子供はダリ自身なんだそうです。

 

続きましては、こちらになります。

こちらは、1936年に描かれた「見えない人物たちのいるシュルレアリスム的構成」と言う物です。

この作品は、厚紙に描かれています。

 

この作品、中央にベッドと椅子が描かれています。

そしてよく見ると、ベッドも椅子も人の身体の形にくぼんでいる事が分かります。

つまり、これが「見えない人物たちのいる」と言う事になるのでしょうね。

 

このようなくぼんだ椅子、と言うのはダリの他の作品にも描かれています。

「子ども、女への壮大な記念碑」の中で、「モナリザ」と思える女性が描かれている部分も、そうですよね。

 

そして、ベッドの左側にはベッドの影がありますが、何故かその影はヒビ割れています。

 

そして、次はこちらです。

これは、1936年の作品で、タイトルは「オーケストラの皮を持った3人の若いシュルレアリストの女たち」と言います。

 

この作品、3人の女性が描かれていますが、頭の部分は人の顔をしていません。

このような造形は、ファッションショーなどで使われていたりしますよね。

 

さらに左端に立つ女性は、ピアノと思われるオブジェを持っていますが、そのピアノはとても薄くてしかも変形しています。

同様に、右端の女性の持つ楽器はバイオリンでしょうか?

やはりこちらも薄くて、うねるように曲がっています。

 

とても不思議な印象がありますが、実は今回の展示の他の作品で、同じように薄くてうねっている時計が描かれていたりします。

ですので、このような形は、ダリが好んで描いた物と思われます。

 

そして、最後に紹介させていただくのは、こちらの作品になります。

こちらは、「ラファエロの聖母の最高速度」と言うタイトルで、1954年に描かれています。

ラファエロと言うのは、ご存知ルネサンスの3大画家の一人である、ラファエロ・サンティの事です。

 

「子ども、女への壮大な記念碑」と言う作品の中でも触れましたが、ダリは基本的には古典的な絵画作品が好きだったようです。

ですので、このように自分の作品のタイトルにまで画家の名前を組み込んだ、と思われます。

 

また同時に、この頃のダリは、量子力学や原子物理学に興味があったようです。

この作品にも、原子だか分子だか分かりませんが、それをイメージさせる物が描かれています。

 

この事は、当時のダリの他の作品にも見てとれます。

 

 

このようにダリの作品を紹介させていただきましたが、ダリは絵画のみならず、先程も触れましたように舞台美術、衣装、はたまた映画などの分野においても活躍しています。

会場には、そういった舞台装置や衣装の絵なども展示されていました。

ダリの活躍が多方面に渡った事を物語っていますね。

 

 

さて、今回もまたまた長くなってしまいました。

それにもかかわらず、最後までお読みくださいまして、有難うございました。(^◇^)

 

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