この度はお忙しいところ、このブログにお立ち寄りくださいまして、有難うございます。
このブログをご覧くださっていらっしゃる全ての皆様の、ご健康とお幸せを、心よりお祈りさせていただきます。
こちら東京地方では春一番なども吹き、確実に新しい季節の足音が近付いて来ておりますが、皆様のお住まいの地域では、いかがでしょうか?
私はと言えば、体調の方は相変わらずです。
そんな中、体調の比較的良い日に、東京・汐留にありますパナソニック汐留ミュージアムの「マティスとルオー」展に行って来ました。
今日は、そのレポートをさせていただきます。
では、早速参りたいと思います。
まず最初の作品は、こちらになります。
こちらは、ジョルジュ・ルオーの「ゲッセマニ」と言う作品で、1892年に描かれています。
ルオーは、1890年に国立美術学校に入学していますから、この作品はその2年後に描かれた、と言う事になります。
そして、この学校でルオーの指導をしたのが、ギュスターブ・モローでした。
モローは、印象派の人々が活躍したのとほぼ同じ時代の画家です。
しかし、その画風は聖書に題材を取った作品が多く、象徴主義の画家と言われています。
このルオーの作品も、そんなモローの影響が見られますね。
続いての作品は、こちらです。
これは、アンリ・マティスの「ベル=イルの花束」と言う作品です。
1897年に描かれています。
マティスは、21歳の時に患った虫垂炎の療養時に絵を描き始めます。
その後美術学校に入学し、ルオーと同じくモローの指導を受けます。
つまり、マティスとルオーは同じ師について、絵画の勉強をしたのです。
この作品は、ベル=イルと言う島を訪れた時に描かれた物です。
マティスの言葉を借りれば、「自然の色と色彩に目覚めた」と言う事になります。
次の作品は、こちらです。
こちらは、1920年に描かれたマティスの「窓辺の女」と言う作品になります。
マティスは、前回の「デトロイト美術館展」でも取り上げさせていただきましたね。
その時も少しお話させていただいたと思いますが、窓を題材にした作品が多い印象があります。
マティスはフォービズムの画家として有名です。
しかし、実際にフォービズム的な作品を描いていたのは、1900年頃から1910年頃の間と言われています。
次は、こちらです。
これは、ルオーの「穫入れる農夫たち」と言うタイトルの作品です。
この作品には、ルオーの画家としての特徴が良く出ている、と言えると思います。
ルオーの特徴を挙げると
1、輪郭がはっきりしている
2、色をべったり塗っている
といった事でしょうか?
ブログだと少し分かりにくいかも知れませんが、作品の下の方に、前かがみになって左を向いている人が二人いるのが、お分かりでしょうか?
そして、頭の部分はグリーンや赤で塗られていますよね。
続いては、こちらです。
これは、ルオーの「自惚れ女」と言う作品で、1936年から38年にかけて描かれています。
これは、ボードレールの詩集「悪の華」に触発されて描かれた作品です。
ルオーは、この「悪の華」と言う作品をたいそう好んで読んでいたようです。
この「悪の華」をイメージした作品は、他にも多数描かれています。
今回の展示でも、そのうちの何点かが展示されていました。
続いては、こちらです。
こちらは、ルオーの「赤と金色の小姓」と言う作品です。
1943年の作品になります。
その当時、「ヴェルヴ」と言う芸術誌が出版されていましたが、それを発刊していたのがテリアードでした。
テリアードとルオーは新たな本の出版を企画します。
こうして出来たのが「気晴らし」と言う本なのですが、この作品は「気晴らし」のために描かれた作品の一つになります。
続いての作品は、こちらになります。
こちらは、マティスの「ロンサール 愛の詞華集」と言う作品で、1948年に描かれています。
マティスはこの当時、多くの出版物に絵を描いています。
こちらも、その一つになります。
出版社は、パリにあった「アルベール・スキラ」と言います。
そして、原稿はピエール・ド・ロンサールになります。
続いては、こちらです。
こちらは、「ヴェルヴ」の第1号の表紙になります。
1937年に発行されています。
そして、この表紙の絵を描いたのが、マティスなのでした。
先程もお話させていただきましたが、「ヴェルヴ」はその当時を代表する芸術誌でした。
そして、第2次大戦が始まり、パリがナチス・ドイツに占領されると、むしろフランス色の強い内容で雑誌を発行して行きました。
マティス個人で言えば、この後の作風へのつながりが見て取れます。
次は、こちらです。
こちらは、「ヴェルヴ」の第4号になります。
そして、この第4号の表紙を飾ったのが、ルオーの作品です。
こちらは、1938年の作品になります。
花瓶や花びらに黒い輪郭が描かれているのが、見て取れますね。
この作品からもお分かりのように、ルオーの作品は黒い輪郭とベタっと塗った色が特徴的です。
その作風は、生涯変わらぬ物でした。
そして、最後はこちらの作品になります。
これは、マティスの「心」と言う作品になります。
1947年に描かれています。
この当時、マティスは切り絵を原画とする挿絵本「ジャズ」を作成しています。
この「心」と言う作品も、「ジャズ」の中に収められている物のうちの一つになります。
今回の展示でも、「ジャズ」に収められている作品が多数展示されていました。
この作品も、同じような形の造形物に、ハートのある無しで変化を付けている点が、印象に残りました。
以上、何点かの絵画作品をピックアップして、ご紹介させていただきました。
なお、会場内にはこの他にも、マティスとルオーがお互いに宛てた手紙が展示されており、二人の深い友情が垣間見て取れました。
今回も長くなりましたが、最後までお読みくださいまして、有難うございました。(^◇^)