私は言った。



怖かったのだと

辛かったのだと

苦しかったのだと。

長く頑張り続けて来たのだと。



怖い事があると元に戻ってしまう。

それはあなたのせいなのだと。



この恐怖は理屈で消え去るものなどではなくて

今も心を蝕んでいるのだと。






ついに言った。

色んな思いが駆け巡る。


素直な悲しみがさざなみのようにやって来る。




言いたかった。言いたくなかった。

分かって欲しかった。

こんな風になる前に、気付いて欲しかった。




それでも尚、自分が傷付いた事にばかり

目を向ける様は

同情を求めていて

気持ちが悪かった。




でもその時は

可哀想だなんて思ってしまった自分がいて、

また呪縛の虜になっている心に気付かされる。



 

ああ、こういう手口なんだ。

自分を被害者のように見せて

叱責から逃れようとする姑息な手なのだ。




心は相手にあるようで

何処までも自分のために動いている。

それを人への誠意にすり替える。




ずるい手段を使って矛先を変える、

相手の善意を利用する、

そんなものに、私はもう屈しない。





私は小さな私と、いつかのみんなを守るんだ。