数日ぶりの外出。梅雨空の晴れ間。

夏の生ぬるい風が体を吹き抜けた。



「あ、もう夏が来たんだ。」

それは私の生まれた季節。

何となく、私の季節がやって来るんだと感じた。





私は誕生日までに、どんな夏を迎えていたいだろう?




色んな着心地のいいおしゃれな洋服を

さっと取り出せるすっきりしたクローゼット。

すらっと並んだサンダル。



ちょっと素敵なバッグと、

小さくきらめくイヤリング。



整頓されたシンプルなお部屋。

心地よいルーティンが生まれる家。



ふかふかのベッドとぬいぐるみ。

ゆらりと揺れる、ほのかなライト。



ゆったり座れるソファー。

カフェを思わせるテーブルと

本とコーヒーとブランケット。






…ずっとね、こうやってもぞもぞと苦しくなりながら

何故だか手順を変えないのは

不器用で頑なな自分ももちろんいるけど

やっぱり、そうしたいって思ってるからなんだよ。



怠けていたい、めんどくさい、眠っていたい。

触りたくない、この順番でやりたい。

でもやっぱり、自分でこだわって心地よくしたい。




ああ、手軽に綺麗になればいいのにって思うのに

毎日家事したくないって思うのに

でも上手いことね、自分に合った方法で

自分の家を作りたい。

自分が楽しいと思える、夢中になれる時に

新たな世界をつくりたい。






そう、私の夏の迎え方は



きらきら、ふわふわ、さらさら

ゆったり、すっきり、ほっこり



そういう自分とそういうお部屋を

そういうお家、そういう変わらない居場所を

ありのままの自分で持つことなんだ。




…素敵な音楽を流すスピーカーを買おうかな?

どうやったらおしゃれなお部屋になるかな?





細かいことは気にしないで

今までは全て忘れて

自由の風に乗って


果てしない空に浮かぶ

私だけのお城をつくろう。




夏の生ぬるい風と輝く太陽に

私の臆病を取り払ってもらおう。