この前に 12話が載ってます〜





N side








ブンブンと顔を振る。


嫌でしょ
そんなの。

絶対に嫌だよ。




「翔さんどうしよう、オレ、わんこになっちゃう。」
「ちょ、落ち着けって。ニノは、わんこになんかならないよ。」
「いや、なってんだって、実際、わんこに。」
「…?…どういうこと?」




オレは今までの夢の話をした。


わんこになってたのはもちろん、夢の中の翔さんとオレは付き合ってなくて、もちろん関係はメンバーのそれ。


でも、翔さんはオレのことを『ニノ』と名付けてちゅーしたり犬吸いしたり楽しんでるってこと。


ちなみにだけど、
今日のチクビーム攻撃の話はやめといた。
だってそれはさ、…なんか、浮気っぽいから。向こうの翔さんの指先で、か、感じた…とか。



「ニノ…?」
「あ、うん。」
「で、今日は、いちばん長くて『夢の中のニノ』が俺の前に登場した、ってこと?」
「…だと思う。…信じたくないけど。」
「だとすると、…辻褄が合うっちゃあ、合うよ。」
「そうなの?」
「俺が隣りに居た時のビビり方は尋常じゃなかった。それに、『夢?これは夢?』って言ってたし。」



怖え。

マジなんじゃん。



「オレ、もう寝たくないよ。」
「それは…残念だけど無理だと思う。」


確かに。
寝ないなんて無理だけど
でも、極力寝たくは無いし、
寝たら寝たで起こして欲しい。



「翔さん、じゃあさ、オレのこと起こしてよ、『わん』とか『くぅん』とか言い出したら、すぐに。」
「わかった。それは出来るだけ早い段階でやることにする。」



それに、翔さんには
絶対にして欲しくないことも



「あと、……オレとの区別、付けて欲しい。だっていつ、またソイツが現れるかわかんないし、もしかしてソイツと翔さんがキスとか、オレ…スゲー嫌だから。」
「ふっ  ニノなのに?」
「茶化さないでよ。」
「ごめんごめん。…なんか、ニノのヤキモチってレアだから。」
「そう?…オレは意外と妬くよ?」
「智くんの時は、だろ?」
「そんなの。………昔の事じゃん。」
「…そうだったね、…ごめん。」



思い出させないでよ
過去の事なんて。


大野さんは大野さん。
翔さんは、…翔さんなんだし。




「ね、翔さんは、区別。付けられんの?」
「できるよ、当たり前だろ?」
「どーすんの? どうやって見分けつけんのよ。」
「そんなの、今からニノの事を『カズ』って呼べばいい。その反応を見て調査する。」
「調査って…w」
「安心してよ、俺は絶対にニノを見間違えたりしない。」
「さっき間違えてしたくせに。…キス。」
「してないって。あれはっ、ニノにヤマ掛けたんだよ。わかってんだろ…。」
「わかってますよ、そりゃ…。」



オレの、むぅと尖らせた口元を
翔さんの指がなぞる。


擽ったくて思わずクスクス笑うと


「俺、実は前から差別化したかったんだよ、ニノの呼び方。だから嬉しい。」
「そうなの?」
「そう。『カズ』なんて、まごまご以来じゃね?」
「そう…ですかね。」
「カズ…」
「や、…なんか、擽ったい。」
「え、もしかして、ニセモノ?」
「本物です。」


食い気味に答えた。
バカじゃないの?ってくらい
薄目で見てやったし。



「本物だ。」
「じゃあ、本当にしてないんですね?」
「してないよ、当たり前だろ?」
「否定するとか、怪しい。」
「…じゃあ、…したって言って欲しいの?」



違うけど。


そうじゃなくて。



あーっ!もうっ!
オレだってこんな気持ちになりたくないよ。



「オレ、意外とめんどくせー男かも。」
「だいぶね。」
「ひどい。それは酷いよ。」
「でもそこが俺には可愛いから。」
「……変態。あー、でも良かったのか、翔さんが変態で。だからオレ達こうしてられるのか。」
「ニノは俺に感謝しろよ?」
「あ、また『ニノ』って言った。…もう、全然出来てないじゃん、カズ呼び。呼びたかったんでしょ?カズって。だったら」
「好きだわー。それ。ニノが興奮してんのw」



翔さんの『バンザーイ』と言う掛け声とともに、いとも簡単にTシャツを脱がされた。



こういう所も意味わかんない。

どこで入ったの?
翔さんのえろスイッチ。




『マジうめー』とか言いながらオレの首元を吸い、まるでオレが犬になった時みたいにニノ吸いをしてる翔さん。




考えたら、これ、よくされてたかも。
首元のすんすん。

それから決まって
すんすん➕胸元をさわさわしながら
翔さんの指先がオレのチクビームを



「んッ…、、」
「弱いよな、ここ。」



そうだけど。



「カズ、感じてんの?体、ビクビクしてる。」
「だ、って、…ンッ、、そんな触り方、」



首元を吸われながら、片方の指で胸の頂きをコリコリと形作られる。


そりゃ感じるでしょ
ビクビクともするでしょ



「ここも、もう硬いね。」
「そりゃ…翔さんに触られれば誰だって…」
「誰だって、じゃない。カズが、…だろ?」


翔さんは首を傾げて射止めるようにオレを見つめると、唇、頬、耳元へとキスを落とし
ゆっくりとオレをベッドへと倒した。


降るようなキスを撒き散らし
オレの奥の方へ翔さん自身を深く沈めると、ゆっくりと味わうかの様に抽挿を繰り返した。


そのあまりにもスローテンポな腰の動きは、翔さんのエロさをこれでもかってくらい引き立てていて

その翔さんに見下ろされてるってだけで
オレの奥がきゅんきゅんに締まった。




オレは、
寝てたら起こしてって言ったんだ。

こんなさ、寝かせないくらい夜通し抱かれたら、感じ疲れて確実に寝るに決まってんじゃん。



翔さんの…バカ……。










あーあ、ニノちゃん、
またぐっすり寝ちゃってるじゃん( *´艸`)