「視覚型」「聴覚型」「触覚型」学習方法について、私見を続けます。
学問的根拠などは全くありません。
素人が体験から考えた事ですので
適度に塩などふりかけて読んでおくんなさいまし(笑)

さて
日本の「国語教育」は「視覚型」重視であります。
漢字やカナなど視覚を最大限に使って覚えなければいけない要素が満載ですから当然です。
言語習得においては
視覚の刺激も、もちろん重要でして
文字の習得が必要な場合は
ある程度以上の視覚学習能力は不可欠にございます。

ですが、一般的な言語の習得では
まず、「聞いて理解する」「話せる」が文字の前に来ます。
よって、視覚型の人は、ここで,つまづきやすくなるのも道理でございます。

時々「話せないけれど読める」と
おっしゃる方がいますがこの「読める」は
暗号解読のようなもので
「聞いて理解でき話せる人」の「読む」とは、違います。

そこに書かれている知識だけが必要な場合は、
暗号解読でも十分かまわないのですが
「味わって読む」
「書き手の意図を理解しながら読む」ためには
まず「聞いて理解できる」ことが欠かせません。
(聴力障害者は、また、別の方法で
この理解力を鍛えるのですが
ここでは,ひとまずおきます)
そのため、視覚型学習者も
「聴覚の関門」をくぐらなければいけないのですが,
そもそも
「読めばわかるんだが聞くとわからない」
という状況は何故、起こるのでしょうか?

一つの理由としてはその言語の「発音やリズム感」が、
まだ把握できていないというのがあります。
これに対しては、とにかく、たくさん聴き,慣れるしかありません。

しかし、もう一つの理由は
これは、長年,視覚型教育を受けて来た学習者の
つい「字」に直してしまうという癖のせいだと考えております。

視覚型教育では
聴覚で受けた刺激を視覚に変換する訓練を多くします。
(例えば漢字の書き取り)
この訓練の結果
新しい言語を学習する際にも
つい「字」を探してしまいがちになるのです。
そして耳で聞いたことが
頭の中で、文章として「字」になって、それを読んで、やっと理解するという
非常に複雑で時間のかかる方法を経ないと
納得できないのが視覚型学習者なのです。
聴覚型学習者は,こんな苦労はしない
というより、できず
むしろ字が出てくると混乱してしまいがちでしょう。

耳から聞いたことを
そっくりそのまま理解し、覚え,
理解しなかった音の塊は,そのまま記憶に残るのが聴覚型学習者ですし
子供は一般的に学校教育を受ける以前は
皆、この聴覚型学習者の学習方法を
とっているのではないかと思います。
(それが「こどもは言葉をすぐ覚える」という伝説にも
つながるのかは,また後ほど)

学習方法としては、視覚型学習方法が、
最も洗練された方法なのかもしれませんが
話されたことの内容自体をよく知らない
或いは、その内容に関する語彙が少ない為に聞き取れないのではなく,
話された内容が【文字に直されたら理解る】という方
(いわゆるヒアリングが弱い方)は
無意識のうちに
耳からの情報を目への情報に変換しているように思われます。

では,この「癖」を直し聴覚の関門をくぐれるには,どうすれば良いのか?
それは、即ち理解速度を速める、という事です。
聴いてから理解するまでの道のりを少しでも縮めるという事です。
とにかく大量に聴くことはかかせないのですが
この方法は視覚型学習者には辛いのかもしれません。

比較的、受け入れやすい方法は文章を読んで学習する際
或は言語学習の補助として読書する際
(新聞・ネットも含めて)
まず思いっきり早く読む,
その文章をネィティブが普通に話す早さで読むという事です。
この速度で読んで
すらっと理解できれば
(発音・リズムに慣れていれば)
実際に聴いても理解できるのです。

もし、この速度で読んで理解できなければ
実際に聴いても理解りません。
この速度で多読することによって瞬発力をつける必要があるのです。

新聞や雑誌のごく短いコラム程度の文章をまず【一気に】読み
次に理解らなかった単語を調べ
全体の文章の意味をきちんと把握し,その後、音読,そして暗誦
暗誦後は、書く....
この鍛練を3ヵ月(いえ1ヵ月)でも毎日続けると
聞く力が飛躍します。
(体験済みでございます。)

是非一度お試し下さいませ。

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(以上,2年前に書いたブログを編集し直しました)

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