それは中学を卒業して、すぐにバイトを始めながら定時制の高校に行く決意をした頃のこと。


迎えた高校の入学式の日にウチはすぐにイジメの的となりました。
相手は皆年上ばかりってのもあり標的なんて入学してきたウチぐらいやったからです。


何度もイジメを受けたくなくて、ウチは両親にホンマのことをゆうて行かないって言いました。
でも、心のどこかで『高校は出な』って頭はあったんですが……
やっぱり耐えれなかったんです。

せっかく徐々にでも前向きに頑張っていこうとしているのに、また同じ目には遭いたくないってのが強かったんです。


親への了承も満足に得ないまま学校が休みでバイトしてた時に、一人の女性と出会いました。

その人は、まだイジメもなく元気に過ごしていた中学時代に世話になった不良の先輩でした。


この先輩はウチより3つ上で高校に上がって少しして転校した、と聞いてから全然連絡してなかった人でした。

だからウチがイジメられて不登校になったことも知らない人。


先輩は凄く驚いていて、理由を聞いてきましたが
ウチはバイト中やったんもあり、それを伝えるとある場所を指定してウチが終わってから連絡を、と先輩のケー番を受けとり
その場は一旦別れました。



バイトも終わって指定された場所へ自転車で移動しつつ、先輩に電話すると着いてると聞き急いで向かいました。


そして、着いてから奢ってもらったジュースを飲みながら先輩に今に至るまでの話(事実)をしたんです。

先輩は『許せん、今から呼び出す』とか言ってたけど、ウチはもうこれ以上関わりたくないし顔を見るのも嫌やからって伝えると
何も言わずウチの頭を撫でてくれたんです。


学校のことについても話しましたが、どうやら知っているらしく
あまりいい噂は聞かないとのこと。

でも両親は許さない、どうしたら学校に行っとるように見せかけることが出来るのかってのを相談しました。

以下、ちょっとウチらの会話です。



ウチ『どうしたらえんでしょう…』


先輩『……なぁ』


ウチ『はい?』


先輩『○○さえ良かったらやけど、ウチらのチームに入らん?』


ウチ『はい……えっ?!』


先輩『お前、友達おらんゆうてたしウチの後輩やゆうたら皆迎えてくれるで』


ウチ『…………』


先輩『辛そうな○○をこのままにはしとない。けどウチらがしよることは○○にとってあんまえぇことないきん、無理には言わん。やからすぐに返事せんでえぇきん』


ウチ『…………』


先輩『…なぁ?○○は男知らんやろ?(笑)』


ウチ『え!?な、何を言い出すんっすか;』


先輩『お、その顔やっぱおらんな(笑)』


ウチ『いませんよ…;』


先輩『えぇ男も紹介したるから、気が向いたらいつでも電話してき』


ウチ『……あの、』


先輩『さっきもゆうたやろ?無理に返事することないて』


ウチ『ちゃうんです……もしかしたら今のウチにとって一番えぇのって先輩に着いていくことや思うんです』


先輩『………』


ウチ『ウチ、バイトは続けたいし親には学校に行っとるってこと嘘でも証明したい。でも何時間も一人でおるよりかは全然えぇんやないかって……そら先輩たちの世界にウチは馴染めるんかな?って考えたら恐いですけど、仲間が欲しんです』


先輩『…………』


ウチ『……ホンマもんの仲間がウチにも欲しい……』


先輩『…よし、わかった。ちょっと待っとき』




そう言ってどこかに電話する先輩。

ウチはいつの間にか流れていた涙を拭って残ったジュースを飲み干しました。


そして、先輩の電話が終わった時にウチに言いました。



先輩『今から仲間紹介したるわ』


ウチ『え?いきなりですか?;』


先輩『今日ホンマは皆で呑む話になっとったきんな、お前の歓迎会を兼ねて一緒に呑もや』



そんなこんなで先輩が呼んだのは先輩の4つ上にあたる人、明美さんやったんです。


明美さんは何でも気軽に話ができる、皆のお姉さん代わりの人やと紹介を受けました。

ウチも軽く自己紹介して明美さんが乗ってきたバイクにニケツさせてもらい、先輩は自身のバイクで
『アジト』となる場所に向かいました。





これ以上書くとまた長くなりそうなんで、一旦切ります(^ω^;)



追記:明美さんの年齢が先輩より『2つ』上とありましたが『4つ』上です;
誤りがあったので修正しましたm(__)m