池袋の雑踏の中、和服姿の人とすれ違いました。
随分手前から、鮮やかな紫の羽織と着物はとても目立っていたのですが、もっと目立っていたのは、彫りの深い男性の顔だったことです。
厚化粧でも隠れない髭剃り後、でも、すごくきれいなんです。なにより、私がひきつけられたのは、その方の誇りを持った歩き方でした。
きちんと着物の装いの歩き方をして、視線はしっかり前を見ていて、きりりとしていたのです。どこかのお店のママさんかなあ...どんなお店なんだろうなあ、行ってみたいなんて思ってしまいました。

私はときどき、こういう人たちに憧れに似た感情をいだきます。
自分を偽らずに表現しているところにまず「すごい」って思ってしまいます。
あと、こんな言い方はおかしいかも知れませんが、性に関して、男、女って線を私の中では引いていないんですよね。
たまたま私は男性を好きになるけど、女性を好きになったかも知れないし、男になってみたい、と思った時期もあったし.....。

帰りの電車で、そんなことを考えながらうつらうつらしていました。