兄のことを知りたい

そして‥

この人のことも

 

初読み作家さんです。

タイトルが目にとまり、

試し読みが本屋にあったため、

数ページをそれで読んで購入を決意したのでした。

初読み作家さんの時は

試し読みがあると助かるよね。

主人公時生の兄元が飛び降り自/殺したという

衝撃的なシーンから始まり、

兄の葬儀後、

兄の遺骨を盗もうとした人物を捕まえる時生。

この冒頭でストーリーに引込まれました。

 

こん炉著コミック「遺骨の旅路 」

自/殺した兄の弟×遺骨泥棒。 兄が灰になった夜。 弟・時生の前に現れたのは──兄を持ち去る男。 追いかける時生に男は、兄の友人・漣と名乗り「遺骨と旅をさせて」と泣きわめく。 時生は自分の同行を条件に旅を承諾したが、道中で漣の兄への、友情以上の熱を知ってしまい……。 旅は、「三人の恋路」へと進み出す──。 兄を抱えた旅は、 2人の救済と 3人の恋路へ。

 

亡くなった兄とその兄の遺骨を盗もうとした人物、

なぜ兄は亡くなり、遺骨を盗もうとしたのはなぜなのか、

これまでのBLにはなかった発想に惹かれました。

 

時生にとって兄・元はとても優しく勉強もできて

何でも教えてくれる自慢の兄だった。

しかし時生が成長するにつれ、

優等生の兄の存在が大きくのしかかり、

兄の存在が疎ましくなってくるのだ。

兄へのコンプレックスからいつしか兄を避けている時生。

なので久しぶりに兄から二人で飲みに行こうと

誘われた時もケンモホロロに断ってしまった時生だった。

そしてそのあと兄は亡くなってしまった。

なので時生は兄の死に少なからず罪悪感と後悔があったのだ。

だから葬儀のあとに遺骨を盗もうとした漣とともに

彼が兄と一緒に行こうとしていた旅行へ

時生は行くことを決意したのだ。

 

発想は面白いし、

元と漣は相思相愛だったと思うけれど
それならなぜ死ななければならなかったのか。
元のおかれた環境を思うと
彼が死をもってでしか自由になれなかったのも頷ける。
そして自由を得ても、
どうやってそのあとを生きていけばいいのか
敷かれたレールの上しか歩んでこれなかった元にとっては
自由になりたいけれど自由になることも怖いことなのだ。
 
ただ死を選ぶしかなかった元の置かれた立場と漣の関係、
時生が漣と恋人になるまでのことを掘り下げて描いて欲しかったな。
それでは1巻では足りないか。
特に時生が漣に惹かれた気持ちや
元を失った漣がどのような心境の変化を経て
時生の気持ちを受け入れるまでに至ったのか、
そこらへんがちょっと駆け足になってしまっていたので
もったいなかったかな。
二人の気持ちをもっと掘り下げてもらえたら
ロードムービーっぽくって
感情移入もできた感じがして。。。
2巻くらいにわけて描いてもよかったのかな。
 
H度ドキドキドキドキ(序盤はHが出てこなかったけど後半はHが濃かったので驚いた)
ストーリー度満月満月満月やや欠け月

 

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