N・Rさん 67歳 男性 清掃アルバイト 下京区
主訴 両膝の痛み
Nさんは、以前、私がお世話になっていた仕事場からの紹介で来院されました。
少し無口な、おとなしい感じのおじいさんでした。
お話を聞いてみると、旅館の雑務・清掃を一人でまかされて慌ただしく働いているとの事。
食事の準備時はてんてこまいの忙しさで、立ったり座ったりを繰り返す作業で、しだいに両膝が痛み出し、しゃがむ動作がつらくて出来ないとの事。
「しゃがむ動作を見せて下さい」
と言うと、
Nさんは、黙ってつらそうな顔でゆっくり不安そうにしゃがみます。
「わかりました、では、ベットに上向きになって寝て下さい」
と説明し、Nさんの両膝を確認しました。
Nさんの両膝は、ひどいO脚となっており、骨盤や膝の動きも固く、筋肉もとても固くなっていました。
私は腰から下の下半身を中心に施術を行っていきました。
特に両膝の関節の動きを改善する事を目的に上向きの状態で施術を行っていきました。
40分ほど施術を行ったあと、
「変化を確認しますので、立ってもう一度屈伸を見せて下さい」
と説明し、しゃがむ動作を再現してもらいました。
まだ両膝の動きはつらそうです。
その動きを見て、私は、「ひ骨」の歪みに注目しました。
(ひこつというのは、脛の骨の外側についている細長い骨の事です)
この「ひ骨」に歪みがありますと、膝関節の動きを阻害してしまうのです。
私は固くなって開いてしまった「ひ骨」の歪みを入念に矯正していきました。
「もう一度、屈伸動作を確認してください」
と、確認をしてもらいました。
すると、先ほどはしっかりしゃがめなかった両膝の動きが、スムーズに曲げられるように変化していたのです。
Nさんは、何も言わずだまっていましたが、とても驚いているようでした。
「だいぶ膝の動きが楽になりましたね、では今日はこれで終わります」
と終了しました。
帰り際、出口の扉まで見送りしました。
すると、Nさんがいきなり
「うぅーーーーーーーーー」
と、なんとも言葉にならない声を出して両手で握手を求めてきました。
(よっぽどうれしかったのでしょうね)
私も両手を出して
「楽になって良かったですね」
と両手を出して握手をしまして、今回は終了となりました。