喉のしみる感じは何時の間にか気にならなくなった。


2~3ヶ月経った頃、今度は胸が痛い。と言い出した。

喉から段々胸の方に下がってきた感じ。


市内の県立総合病院へ行く。

すると、「紹介状がなければ診れません」と門前払い。


なぜかというと私達の住む市では、公立の病院経営が悪化し県や市の財政状態を圧迫していた。

そこで公立病院の統廃合や組織改革が行われ、公立の総合病院で診察を受けるには他医療機関の紹介状がなければな受診できないシステムになっているからだ。


再び前回の耳鼻咽喉科に行く。

診察結果も前回と同じ。

「喉は少し赤いけど、他はなんともないですよ。悪いものもないので大丈夫ですよ。」

この言葉にすっかり安心してしまった。

「きっと気付かぬ内に仕事で無理な体勢をとったんだよ。筋肉痛みたいなものじゃない!?」


パパは非常に無口だ。

痛くても一言「○○が痛い」と言って、どんな風に痛いのか、どんな時に痛いのか等を家族に切々と訴えたりはしない。


暮れも押し迫った12月相変わらず胸の痛みは続く。

特に食事の後が痛い。

「耳鼻咽喉科じゃダメだよ。機材も揃っている総合病院に行かなければ。」

「行ったけど門前払いだった。」


この頃、私はパパの顔色が随分白いなと思ったことがある。

元々地黒のせいか仕事は屋外で夏はどちらが前か後ろかわからないと言われる程だけど、冬だから日焼けも落ち着いているのかな~と思っていた。


病院嫌いのパパが胸の痛みが中々とれない事で門前払いされるかも…と思いながらも受診してみようと意を決して今度は近くの最近統合された市立の総合病院へ行ってみた。

受付で紹介状がないと診れないシステムを説明されるが、ずっと以前にケガで入院した事があり、前身の病院での診察券を持っていたので辛うじて診察してもらえる事となった。


最初から症状を話す。

すると、傍にいた看護師が

「胃酸が逆流して食道や喉が荒れているんですよ。」と一言。

更に「耳鼻咽喉科を受診されたらいかがですか?」

と言われたらしい。

問診だけで検査らしい検査もせず胃薬をいただいて帰ってきました。


年が明け1月。

再々、耳鼻咽喉科を訪れ痛みを訴えるが医師は

「う~ん。どうしてかな~特に悪い所はないんだけど。まっ痛いと仰るので痛み止めと風邪薬を出します。」

こんな調子で貰ってきた痛み止めを飲むと胸の痛みはすっかり消えてしまった。

それに仕事中は痛みを殆ど感じなかったらしい。