もう、10年も経ってしまった。

 

8歳だったさっちんは明後日から大学生。

 

時間は痛みや苦しみを癒してもくれるけど、大切な記憶を忘れさせたりもして残酷だ。

 

哀しみは無くならないけど、あの時の苦痛はいつの間にか日々に紛れて時折顔を出す程度になっている。

 

逆にさっちんはパパとの記憶が朧になってしまったと寂しそう。

 

その代わり声だけははっきりと覚えているようで、ルイ・アームストロングのダミ声が流れて来ると「パパの声だ~」と懐かしそうに噛みしめている。

 

パパはJAZZが好きでよく聴いていた。

 

さっちんも「こんな曲が好き」と言うのはやっぱりJJAZZだったりして、親子だなぁとシミジミ感じる。

 

そう言えば2週間程前に何年か振りにパパの夢をみた。

 

元気な姿でダブルのジャケットを着て「明後日、講演会が決まった!」と嬉しそうに言うのだが、私が「え~っ!明後日?原稿とかできるの?大丈夫?」とハラハラしているのを他所に笑っていた。

 

何か今はあちらの世界では講演会で稼いでいるらしいw

 

パパがいなくなって10年の節目にさっちんがこの家から巣立っていく。

 

天国からいつまでも見守っていて下さいね。