中学校3年生の「誰かの代わりに」という文章の授業案です。

 

この文章は、「自分とはなんだろう?」という問いに答えてくれる、今を生きる人に読んでもらいたい内容です。

だれでも「自分に価値はあるのだろうか。」「何のために生きているんだろう」と考えたことがあると思います。

 

文章の内容

昔と違い、自由に何者にでもなれる現代においては、逆に「何者かにならなければならない」苦労を背負わなければならない。

「自分に何ができるのだろう。」と常に考える必要がある。

 

その中において「何者でなくてもいいんだよ。」と、そのままの自分を受け入れてくれる存在に甘える気持ちもわかる。

でもそれは「自分の存在価値を他人にゆだねる」=「自分の価値に責任を持たない」という、甘えさせてくれる人に依存する危険もはらんでいる。

 

私たちは、自分の人生を主体的に生きる必要がある。そのために必要なのは「自立」と「責任」である。

ここでいう「自立」は「一人で生きること」でなく「互いに支えあえる存在になる」こと。

責任は「訴えや呼びかけに応じる」ということ。

 

私たちは一人では生きていけない存在である。

そして私たちは、他者とのつながりの中で、自分らしさを発見していく。

 

なんとなく心理学的な、自分の在り方を見つめなおしてくれる、ふか~い文章です。

 

授業としては次のような感じで展開していきたいです。

 

ねらい

・文章を読んで考えを広げ、人間や社会について自分の意見を持つこと。

 

授業案

①文章を通読する。

 

②納得できるところと、疑問に思うところに線を引く。

疑問に思ったところについて話し合い、考えを深めていく授業にしたいが、それだけだと「わからないところ」だけに目が行きがちなので、読んで「よくわかった」「なるほどと思った」ところもまとめておきたい。

 

③納得したこと、疑問に思ったことを班で出し合い、紙にまとめ、黒板に貼る。

 

④疑問に思ったことを、みんなで考えていく。

 

授業数がない中で、2時間展開になるので、時間が足りないですが、良い文章なだけに、こちら側から一方的な説明でなく、自分で考えて意見を言ってほしい。たとえそれが多少間違えであっても、こちらが話したことより生徒には腑に落ちるから。

 

まずはチャレンジしないと始まらない。よしやってみよう!