東北大震災 現地を本当に知る手段 | ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!
16年前の阪神大震災の翌日から立ち上がった外国人地震情報センターに
しょっぱなから韓国語ボランティアとして参加して得た教訓は山ほどありますが
その一つが
「マスコミは信じてはいけない」でした。

私たちは現場に入らない事とし、大阪市内で新聞、ラジオ、行政発表、現場報告などの情報を整理し
電話やフリーペーパーで各国語に翻訳通訳して被災地の外国人に情報を伝えるものでした。
1年後に初めて一番被害がひどかった現地で追悼会に参加しました。
その時に日本を始め世界から押し掛けるマスコミのお仕事ぶりに目を疑いました。
思い思いの所でレポートし、インタビューし、フラッシュを焚きまくって写真を撮り、
追悼会はマスコミのせいでめちゃくちゃでした。
その集会はテレビニュースでは地震発生時間に被災者の人たちが黙祷する姿を静かに映し
「しめやかに行なわれました」と放映されました。
ひっくり返りました。
仰天しました。
なんじゃこりゃ。

それ以降も「あーあ、マスコミって事前にシナリオを作ってそれに合う絵(写真/映像)を撮りに来てるだけなんだな」という思いは深まるばかりでした。

今回、被災地は私の住む滋賀からは遠く離れた東北。
日光から北に行った事がない私には縁者もほとんどいない所です。
テレビで流れ続ける現地の惨状と情報は無自覚に刷り込まれ、そうなんだと信じてしまいます。

しかし、当時とは違いインターネットや携帯を通じて個人から個人に情報伝達ができるようになって
今回もブログ、mixi、twitter、facebookなどソーシャルメディアから現地と世界を結んであらゆる情報が行き交うと、改めて「直ぐに健康被害はない」とかの「大本営発表」を信じそうになった自分の目が覚めたように思いました。

福島県南相馬市で避難していた高校生のtweetがまとめられたもの。

『助けてくれ!!南相馬市を助けてくれ!!
テレビでやってる放射能被害は嘘だ!もっと深刻なんだ!!
分かってるのにガソリンがなくて逃げれないんだ!!
国は本当のことを言って逃げてくれ!!逃がしてくれ!!』


そして韓国のブログ。
「新しい地球村のニュース、最近の北朝鮮の姿、地球村記録写真を共有します」
ここに共有されている写真は大地震、大津波の膨大で詳細な記録であると共に
東北の市民の方達の痛みと命あるものの営みの記録であると思います。
昨日ブログにアップしたyoutubeの映像はここの写真から転用したもののようです。
NEW震災の翌日12日からアップされ、22日現在49ページ目。
日本のテレビや新聞には載らないだろう写真もあります。
避難所、被災現場、救援活動、アメリカ軍、海外マスコミ、様々に絡む現地を子供の目線から上空から網羅されています。
そして、人間に対しての優しい視線を感じられます。
この震災だけでなく韓国や世界の出来事についても沢山の写真が公開されています。
外国である日本についてこれほど力をそそいでまとめられているのは驚きです。
この写真は「使命」として公開されているのだろうなと思います。
ぜひ、皆さんにも見て欲しいです。

それでも、これさえも、膨大な現地の惨状のほんの一コマに過ぎないのだと
常に自分にも言い聞かせてゆくつもりです。