オマケ( ・∇・)





ひとつ年上だった相葉くんが、ふたつ年上になった。まぁあと半年もすれば、またひとつに戻るけれど。
それでも、なんとなく昨日より大人っぽく見えるのは気のせい…かな?

寒さ厳しい駅前での売り子の役を終え、オレたちはサンタクロースから、ただの大学生へと戻った。

「お疲れさまでした」
「じゃあねー」
「おう、気をつけてな」

店を出て、そのまま映画館へと向かう。
相葉くんの首には昨日オレがあげたマフラーが巻かれていた。

「にの、ありがとう。すごく暖かい」
「それは良かったです」
「そうだ、これ…オレからのクリスマスプレゼント」
「あけてもいい?」
「もちろん!」

相葉くんから渡された包みを開けてみると、暖かそうなニット帽が入っていた。

「…あれ?」

相葉くんもプレゼント用意してあるって言っていた。ということは、昨日の時点ではすでに買ってあったということだよね?
オレの手にあるニット帽と、相葉くんにあげたマフラーは、同じブランドで同じ柄。
ちょっとだけ…ペアルックみたいで、嬉しい。
ニット帽をかぶると、相葉くんも気づいているようで、くふふ と笑っていた。

「オレたち、ほんと気が合うよね」
「うん」
「でも、頭とか首元は暖かいけど…手が寒くない?」
「…うん」

はい、と大きな手のひらを差し出すから、オレは反射的にそこに手を乗せた。
オレの手を握ると、そのまま相葉くんの上着のポケットに引き込まれる。

「これなら少しはあったかいでしょ////」
「ふふ。そうね。あ…でも」
「ん?」

誕生日プレゼント何か欲しいものある?と聞くと、相葉くんはもう貰ったよって意味ありげに笑った。

「昨日あげたのはクリスマスプレゼントだから、やっぱり誕生日プレゼントは別にあげたいの」

だって、オレの中ではもう12月24日はクリスマスイブじゃなくて相葉くんの誕生日だから。

そう言ったオレの唇に、相葉くんは そっ…と指を当てた。

「美味しくいただきました♪」
「////え…あ、それ?」

昨日の、真っ白な雪が降り積もる中でのキス。
確かに誕生日の日だったけれど…

「じゃあ…来年の誕生日まで、もうキスは無しってことね」

オレがそう言うと、相葉くんは慌てたように首を振った。

「いや、それはダメ!
あ…わかった!誕生日プレゼントに ”好きな時にキスできる券” ちょうだい?!」
「え〜?どうしよっかな笑」
「にの〜!!」
「あ、ほら。早くしないと映画始まっちゃう!」

オレは、繋いでいた手を引っ張って走り出した。

とりあえず…今年の誕生日プレゼントは、この映画を奢るってことで。


だから、キスは…


いつでも、好きな時にどうぞ♡





おわり♪



miu