つづきです( ・∇・)
にのちゃん視点が続いております…







食事をしながら…
何となく、そっちの流れになるのかと思っていたのだが、キスの後は普通に片付けをして、潤くんはお風呂に行ってしまった。


(別に期待してたわけじゃないけどさ)

ちょっと拍子抜けしたが、キレイ好きの彼のこと。昨日は勢いでシてしまったけれど、やっぱり躰はキレイにしてから…ってことよね?
待っている間にと、バッグから歯ブラシを取り出して歯を磨く。
身綺麗にして、潤くんが戻るのを待っていた。

…のだが。


「和、もう寝る?」

と、ベッドに誘われたまでは良かったのだが、ギュッと抱きしめられて…それだけだった。

今日はシないのかな?
モゾモゾと彼の腕の中で動いていたら「昨夜…無理させすぎたから。今日はゆっくり休めよ」って。
一見、優しさのようだけど、きっと潤くんもお疲れなのよ。

ふふ。ふふふ。
結局…お互いもう若くないのよね。


「和…お前、なんか失礼なこと考えてるだろ?」

「え?!別にそんなこと…」

「明日になれば、色々と…届くから。覚悟しろ?」

「…色々って?」

「コンドームと、ローションと…」

「ちょっと////アナタ何買ってるのよ」

「でも必要だろ?」

「////はい…」


彼の体温と香りに包まれ
やがて、穏やかな眠気が訪れる。

瞳を閉じると…

意識はゆっくりと溶けてゆき
夢の中へと誘われていった。




…あれ。

枕が変わったせいか、ふ と目が覚めた。

スマホに目をやると…まだ夜中。
手を伸ばし、あるはずの温もりを探したのだが、そこには無くて。


「…トイレかな?」


ぼそっと呟いて、ベッドを降りた。

ベッドルームのドアをそっと開けると、繋がっているリビングから灯りが漏れていた。

妻戸先生が仕事で使っている机。
部屋の雰囲気に合わせた、木製のアンティークデスクに、彼の背中があった。

時折、髪をくしゃくしゃと掻き、悩みながらも紙にペンを走らせていく。

その姿は、何かを生み出す時の…熱を放っていた。


…昨日、書くのをやめる と言っていたけれど。

彼の中で…何かが変わったのかもしれない。


そう願って
オレは静かにドアを閉めた。

カーテンを少し開くと、キレイな月が空に浮かんでいて。

その真っ直ぐで清廉な光に、潤くんを重ねる。


「楽しみにしてるね」


と 語りかけた。





つづく


miu