痛みというのは、本当に厄介なものです。
どこかに痛みを感じると「何処か悪いのだろうか」と不安になります。
以前から偏頭痛持ちだったAさん。
大きな病院で検査をしましたが異常はなく「健康な人に薬は出せない」という医師の言葉を受け、市販の鎮痛剤を服用していました。
しかし、薬が効くこともあれば逆に痛みが増すこともあり、どこか悪いのではと頭痛の専門医を訪ねたのです。
「異常はないですよ。
あなたの脳は、まったく問題ありません。」
医師の言葉にホッとしたAさんは、偏頭痛が起こる原因、痛み方、痛む場所による対処方法を教えてもらい、薬を手に家路につきました。
これで明日から仕事に集中できる！
意気揚々と出勤したAさんを、頭痛が襲いました。
医師から教えてもらったように鎮痛剤を飲み、少し休憩をとってから仕事を再開したものの、遂に立っていられなくなったAさんは、早退することにしたのです。
帰宅後、ベッドに横になり寝返りをうつと、頭の左側にあった痛みが真っ直ぐ右へ、左へ寝返りをうつと真っ直ぐ左へ、少しずつ痛みが移動していきます。
枕元で停滞する痛みは徐々に落ちていき、痛みが落ちるとともにAさんも眠りにつくのでした。
こうして数週間が経ち、再度専門医を訪ねたAさんは、痛みが真っ直ぐ移動することを話して精密検査をして貰いましたが、やはり異常はありませんでした。
「ストレスですね。
更に強い薬を出しておきますが、まずはゆっくり休んだ方がよいでしょう。」
街中でも痛みに襲われることが増え、気付けば1年近く経っていました。
こんなに痛いのに何もない筈がない。もっと詳しい専門医なら、もっと大きい病院なら…
そして病院を巡る日々が、始まったのでした。。
この移動する痛みというのは、霊媒体質の方には起こり得ることです。
霊媒体質の方は、近くに腰の痛い方がいれば腰が痛くなり、近くに首を切られた霊体がいれば自分も首が痛くなります。
状況や霊媒体質の度合いによって感じ方は人それぞれですが、感じた痛みを自分の痛みだと思えば、本当に自分の痛みになりになってしまいます。
今回Aさんは横になっているうちに、痛みが落ちました。
『痛みが落ちる』というのは奇妙な響きですが文字通り、痛みが『落ちる』のです。
落ちる以外にも、上へ抜ける、横へ流れる、下へ垂れるなど様々で、自覚のあるなしに関わらず起こるため、霊媒体質だと気付いていない方は病院を巡ることになるのですが・・・
これも、霊媒体質が故の苦労なのです。
道見
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