とある都市のとある駅で地下鉄を降りた。ブラットフォームを駅の出口を探しながら歩いていると強烈なめまいを感じた。
そこが地下何階部分になるのかは分からない。天井が低いからというわけではなく、それでも地震が起きていて揺れているのでは無いかと思うくらいのめまいだった。
私は27kgを超えるトランクを引っぱりながら、早く抜け出したい一心で、出口を探し、足早に歩いた。
と、目の前に、出口へと向かう人ごみから外れ、立ち止まった少女がいた。
横目に入っただけで、その女性が何歳くらいかははっきりとは分からなかった。
ただ、10代だろうなと思ったくらいだった。
出口に向かう列から外れた少女は、事切れたように見えた。
その少女が佇むそこには霊道が、彼女が立っているまさしくそこに、縦に通っていた。
彼女は、そこで止まったのだ。
俯き、酷く落ち込んでいるようにも見えたかもしれない。
普通に端から見れば、失恋した直後か、誰かに何かを言われたのか、とっても落ち込むような事があったようにしか見えなかっただろう。
思わず、危ない!
そこから離れて!
と、言いそうになるのを我慢し、先を急いだ。
依頼を受けていないのに、見えない世界に介入しては行けない。
それは十二分に知っている。その怖さは経験済だ。
それでも、あの子にそこから離れて!と言うべきだったのかどうか。
と、振り返らずにはいれない。
せめて、私の視界から消えた後でもすぐに移動していてくれる事を願うばかりだ。
シックスセンス管理人
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