元男闘呼組・成田昭次「人生の中で、この3年半は一番濃密」 | ~ひだまりのたね~

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元男闘呼組の成田昭次(55)が所属するロックバンド・Rockon Social Club(RSC)が、17日に新アルバム「Don’t Worry Baby」をリリースする。自身は昨夏に男闘呼組として29年ぶりに復活し、8月まで期間限定で活動。12月からはRSCの4都市のライブツアー(全6公演)が控える。「人生で一番濃密」という直近の3年半を振り返り、最新作やメンバーへの思い、50代後半の展望を語った。


「成田昭次の人生の中で、この3年半は一番濃密じゃないかな。若い時は若い時で濃密だったけど、20代の頃は自我も強かったし、周りが見えていなかったと思う。大人になって、周りが見えた状態で、さまざまなことにチャレンジできている」

 2019年以降、目まぐるしく環境が変わった。男闘呼組の高橋和也(54)、岡本健一(54)、前田耕陽(55)との再会。サラリーマンをやめ、名古屋から上京。29年ぶりの男闘呼組の再始動。新バンド・RSCの活動。再び激動の中に身を置いても「今が楽しい!」と胸を張って言える。

好影響は高橋、岡本、前田の存在があるから。「マブダチであり、兄弟であり、家族ですね。圧倒的に離れていた期間が長かったのに、会った瞬間、80年ぐらいずっと隣にいるような感じになる。他のバンドの人たちに『仲いいね』って驚かれるけど、この春のツアー中も毎日、メンバー同士でご飯を食べて。僕らはそれが当たり前なんですよ」

 1988年にデビューし、「DAYBREAK」「TIME ZONE」がヒット。NHK紅白歌合戦にも出場したが、93年に突然の活動休止。所属事務所もバラバラになり、メンバー同士の交流も絶たれた。

再始動に向けて動き出したのは19年、岡本から届いた一通のメールだった。「男闘呼組、再始動どう?」。数年前に高橋を通じて連絡先を交換していた岡本からの突然のラブコール。自身は芸能界を離れ、地元の愛知県でサラリーマン生活を送っていた。

 「メールを見て『えっ! ええっ!?』って。男闘呼組に対して熱いのは和也のイメージだったので、健一からでビックリしました。本気で再始動したいと言われたけど、仕事を休めないし、現実的に無理。その時は断ったんじゃないかな」

 その年の秋に再会。「健一とは26年ぶり。和也、耕陽とは15、16年ぶりだったかな。会った瞬間、当時に戻ったというか。不思議な感覚でした」

3人が仕事で名古屋を訪れると、個々に会って演奏。20年に入って初めて4人がそろい、名古屋市内のスタジオでセッションした。

 「遊びで始まって。ちょこちょこと繰り返していった。そこからみんなでスタジオに入って。ご飯食べて、飲んで、ひっくり返って(笑い)。やっぱり1993年のままなんですよね」

 次第にそこから心境も変化。「悔いを残したくない」という思いが勝った。「少しでも可能性があるなら、何もしないで諦めるんじゃなく、一度トライしてみようと。できる限りやってみようと決めました」

20年秋に上京した。昨年9月頃まで約2年、都内のとんかつ店でアルバイトとして勤務。揚げ担当だった。飲食店のアルバイト経験はなく、料理も未経験。包丁を持ったことさえなかったが、失った歳月を取り戻すために必死だった。

 「お金を取って、口の中に入れるものを提供するわけだから、厳しいし、シビア。当たり前のことだけど、失敗が許されないから真剣に向き合う。教えてくれる人たちも熱心に向き合ってくれて。人に恵まれて感謝しかないです」

 料理の修業と同時にギターの練習を始めた。開店前の仕込みから閉店後の掃除まで13時間ほど。空き時間を捻出して練習に充てた。

「何かしらやりようはあるわけで。時間がないからできない、は理由にならない。(当時聴いていた)80年代のヘビメタを店内BGMに流してイメージトレーニングしたり、流行の音楽を流して吸収したりしました。お客さんが掛けてくれた『おいしかったよ』が励みになりました」

 昨年7月、TBS系音楽特番「音楽の日」で再始動。今年8月26日の解散ライブ(東京・日比谷野外音楽堂)まで期間限定で駆け抜けた。4月のラストツアー(全52公演)は各地で大反響を起こした。「(93年当時)自分たちの都合でツアーがなくなって、30年近く何もやっていなかったバンド。そういう過去がある中で、『再始動』と言っても半信半疑の部分もあったと思う。それなのに、たくさんの人が集まってくれて…」と改めて感謝した。

所属するRSCは男闘呼組の4人にドラム・青山英樹(37)、プロデュースを手がけるベース・寺岡呼人(55)の構成。12月に結成1周年を迎える。

 「男闘呼組が終わった時、ロックオンがあってありがたかった。男闘呼組のライブでロックオンの曲をやることに理解できない方もいたと思う。でも、それを貫いたから今があると信じている。このバンドが面白いのはみんな役者もできて、脚本も書ける。歌や演奏だけじゃないエンターテインメントを届けられる。(大規模な)全国ツアーができるまでに持っていきたい」

今作は春頃から制作。先行配信中の新曲「LIFE」「ねぇ、そろそろ」など11曲が収録される。アルバム表題曲、曲順はグループラインで決定。「パッケージも刺激的だし、何より楽曲がバラエティーに富んでいる。絶対に期待を裏切らないと思う」と自信を見せた。

 自身は50代の折り返し地点に入った。「十分やったからってスパッとやめるか、作品を作り続けて完全燃焼するまでやるか。そのどちらかだと思う。(ローリング・ストーンズの)ミック・ジャガーは80歳。第一線で活躍されている方たちは、年齢を微塵(みじん)も感じさせないじゃないですか。やり続けることは大変だけど、僕は休まずに続けていきたい」

ステージで燃え尽きるまで、音楽と向き合っていく。

 〇…成田は10月からニッポン放送「成田昭次のRockon The Knight」(木曜・後9時)のパーソナリティーを担当している。22年にInterFM「TOKYO MUSIC SHOW」にゲスト出演し、代打パーソナリティーを務めたが「一人でラジオをやるのは当時の男闘呼組以来かな。再始動後は、メンバーの誰かしらが一緒にやってくれたので」と照れ笑い。「非常に楽しみな仕事です」と語った。

◆成田 昭次(なりた・しょうじ)1968年8月1日、愛知・名古屋市生まれ。55歳。88年デビュー。93年の活動休止後はソロ活動。Inorganic(後に「What’S」に改名)で活動。2004年初ソロシングル「ボクノスベテダッタノニ」を発売。09年アルバム「PARALLEL WORLD」を最後に音楽活動を休止。20年11月、Little Black Dressの公演(ビルボード横浜)で活動再開した。


来たる11月9日

今年2度目の大阪ビルボードライブに参戦‼︎

呼人君と昭次君に会って来ます‼︎