2008年8月1日。 ちょうど約二年前。



大腸内視鏡検査を受けた私に医師が言った言葉。



「肛門から上5cmくらいの位置に、8cmのポリープがありますね」



・・・痛くて失神してしまった検査後、あまりにも酷な話に、私は自分で歩くことすら出来ず、車椅子で移動した。



医師は、ポリープと言ったが、8cmもある物体に「がん」と言う文字は頭から離れなかった。



29歳。 20代最後の夏。まさか自分にこんな事態が迫るなんて・・・・・・



どうやって自分で病院から車を走らせて帰ったのか、全く覚えていない。 ただ、家に帰ってパパに伝えた。



「直腸に8cmのポリープがあるんだって・・・私。」



パパがなんて答えたか全く覚えていないけど・・・



「・・・・・・もし、癌だったら、ホントにゴメン。ごめんね」



「がん」という言葉を口にして、私ははじめて大泣きした。



パパはひたすら、私を抱きしめてくれた。



検査結果が出る8月13日までは、大きな神社にお祓いに言ったり、四万の病に効くという四万温泉に行ったり、長野の分杭峠のパワースポットまで足を運んだり・・・・・・



「私は絶対に病気なんかには負けない。」・・・と、もんもんとした時間を過ごすのを忘れさせるかのように、日々行動していた。



そして13日。医師から間違いなく「直腸癌」であることを知らされた。 このときは、少しでも「がん」ではないと信じたかった自分の心に爆弾を落とされ、多くの患者の前で、呆然と泣いた。



パパと一緒にしばらく泣いたあと、 パパが言った。



「一緒に頑張ろう。 前を向いていこう。 絶対に克服してみせよう」



パパの言葉に、私はそれから一度も悲観することなかった。 何故か、強い意志を持ち続けることができた。



家で結果を待っていた母と、義父と義母に自分が「癌」であることを話した。



「大丈夫。みんなが見守っているから・・・みいちゃん、絶対に負けないのよ。みんなで頑張ろうね」



私のそばで、ようやっと寝返りを打てるようになったしょうちゃんがニコニコ笑っていた。




「・・・この子の成長を見届けて見守っていくのが、私の仕事。・・・・・・この子を残して、絶対に逝けるものか。」




手術日の26日までは、母や義父、義母が代わる代わる群馬で私としょうちゃんの世話をするため、泊り込んでくれた。 義母は、身体が温まると免疫力が上がるからと言って、私に毎日1時間以上かけてヤイト(灸)をしてくれた。



みんなの温かさに、手術日まで、心穏やかに過ごすことはできたが、当時出産してまもなく38kgあった体重が34kgまで落ちた。



体力や筋力が衰えてはいけないと思い、毎日、しょうちゃんを代わる代わる抱っこしながら、母とパパと、時に義母と一緒に散歩に出かけた。



8月の半ば。 本当に群馬は蒸し暑い。 が、 普段の何気ない風景が、とても美しく感じられた。



空の蒼。 太陽の日差し。 川の流れ。 田園風景。



そして・・・




直腸癌ママの徒然ブログ


一番目に焼きついたのが、この「百日紅」(サルスベリ)の花。



赤や、ピンクや白、 公園や川沿いや家の庭、ところどころで咲き誇っていた。



「みいちゃん、知らなかったの? これ、百日紅っていう木なのよ。 幹がツルツルしていて、サルも登れない、と言う意味なのよ」・・・と母が言った。





「・・・なんて鮮やかで、綺麗な花なのだろう」




私は今まで百日紅という木を知らなかった。 いや・・・普段、こうして風景を見ること、観察することが無かったのだ。 日々、何かと文句をつけて忙しくしていたせいか。 周りを見る余裕など無かった。いや。周りに感心が無かったのだ。・・・・・自然と言うものが、こんなに美しいものだったのだろうか・・・。





「がん」 にならなかったら。 普段の何気ない景色に感動することはなかっただろう。





 百日紅の花が咲くこの時期、はっと当時のことを思い出す。 この頃からだ。 物を、自然を観察するようになってちょっとしたことにも感動するようになったのは・・・。




直腸癌ママの徒然ブログ


これは、「数珠玉」という草木。 これもこの時期に母が教えてくれた。 この緑色の実が、その内黒く数珠のように真っ黒になるのだという。 母が子供のころ、真っ黒になった実を首飾りにして遊んだんだって・・・



「みいちゃん、この実が黒くなったら取っておいてね」と当時、母が言っていた。 ・・・が、術後、排便障害に苦しんでいた私にそんな余裕はなかった。



去年の8月。 数珠玉はまた生えているだろうかとあちこち探したが、見つからなかった。




そして、術後二年目の今年。 二年前より大きく育っていた数珠玉を見つけた。・・・なんだか、とても嬉しかった。




あれから、二年。




今、私のおなかの中には妊娠8ヶ月の赤ちゃんが育っている。 毎日、元気にボンボンとおなかを蹴ってきている。 ・・・・・・身体に障害は残ったが、まさか、二年後、また子供を授かることができるなんて・・・!!!





直腸癌ママの徒然ブログ


二歳5ヶ月になったしょうちゃん。 ヤンチャすぎて、言うことも聞かないし・・・汗時にイライラしてしまう私だけど、当時のことを思うと何でも許せてしまう。 こうして、あなたの成長を見られるのは、本当に幸せ・・・。




もうちょっとで妹が生まれるね。 お母さんはは優しいパパやジイジやバアバ、沢山の友達に見守られ、本当に幸せです。  お母さんの子供でいてくれて、本当にありがとう。




日々、生きていることに感謝です。この時期は・・・特にそれを強く思うのです。 




・・・毎日、毎日、暑い日が続きますねえ~・・・叫び 群馬は久しぶりに朝から、雨模様で涼しいです。 今日は、しょうちゃんを預かり保育に預けているので、ゆっくりしようと思います。



明日は、二週間ぶりの妊婦検診。 子宮頚管が短くなっているか、ドキドキしますが、今日は、できるだけ安静に過ごそうと思いますニコニコ



ではでは・・・ん?? なんだか今日は真面目な話になってしまいましたね笑 暑い日が続きますので、引き続き皆様、体調に気をつけてくださいねハート




みいちゃん☆