子どもの連れ去り禁止:自力救済禁止規定 | あいせきさん

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親子の身分につき平等の立場から,一方にのみ自力救済を認めれば,日本国憲法14条1項や同24条2項の違反が照らされる。

 

最高裁判昭和40年12月7日民集19巻9号2101頁によれば「私力の行使(自力救済)は,原則として法の禁止するところである」と判示している。つまり最高裁の自力救済を認めない判例は,基本的人権は,法の下に平等という観点である。

 

ハーグ条約の立法趣旨或いは理念も同じである。一方親の同意なく子を連れ去る行為につき,国外へ連れ去れば子の利益に資すらず権利を害するが,国内で子を連れ去れば,子の利益に資する行為であり子の利益(権利)は害しないと解せるとするならば,不自然であることは常識人でもわかる。

 

比較法の観点から照らしても,ハーグ条約の自力救済禁止規定につき,その立法趣旨或いは理念は,諸外国の運用を含め,そもそも人権保障の観点において立法されたものであり,国外に跨ぐ措置に限定して有効とするものではなく,それら諸外国の自国内であっても一方親に同意なく他方親が子を連れ去れば,不法(違反)行為とみなされている。

 

当然,日本国内の運用であっても,子を連れ去って先に監護を開始した上で司法に判断を委ねる事は自力救済であって有効とはいえない。その上,子を拐取した状態で拘束したまま,子らと別居親との面会交流を制限し続けることは不法(違反)行為であることを否定されない。

 

自力救済の禁止規定は上記最高裁の判例からハーグ条約の批准することによって,より明確化され,その必要の限度を超えない範囲内で例外的に許されるとすべき特段の理由は,限りなく狭められたと解される。例えば,生命に関わる配偶者への暴力や脅迫,子への暴力などがあってPTSDが生じている案件などあたるが,本件では,そのようなことは一切なく,自力救済が例外的に許される合理的理由などなく,全くあたらない。

 

つまり自力救済は禁止されており,子らの心身につき拘束状態は固定されておらず,子らは釈放されるべきである。