皆様、お久しぶりです!PCパソコンが壊れて1ヶ月ほど使えないし、何度かブログ書いたのですがクリックしたら消えちゃうし・・・。かなり久々☆の更新です。まだまだ夏休み中なので本を読みふけっていますが、とりあえずこの作品。
 一番有名なタイトルは『テス』だと思うのですが、本当は『ダーバヴィル家のテス』らしいですね^^
 話のあらすじは結構有名なので知ってはいたものの、未だ読んだことはなくて初めて読みました。この本、レポートに使われることも多いようですね~音譜

 主人公は、テスという美しい少女。その美貌ゆえに不幸になってしまう皮肉な物語。母親は愚かで、父親はアル中。彼女の家はとても貧しかったのですが、ある日テスの父親が没落した貴族 ダーバヴィル家の末裔だと聞かされてから運命は狂い出します。テスは嫌がるものの、ダーバヴィル家に行くことになり、宿命の男 アレックに出会います。彼はテスを大変気に入り、ある日家まで送るとテスを騙し、森の中で彼女を襲い、妊娠。結局その子供は死んでしまうことになります。


 アレックの手を逃れ、酪農場で働くことになりそこでエンジェルという男性に出逢います。一途に彼を愛し、遂に結婚が決まり母親に「幸せになりたいのなら、旦那にあのことを話したらだめだよ」と言われていたのにもかかわらず、エンジェルに結婚式を挙げた夜に話してしまいます。思いもよらぬアレックとの過去に動揺するエンジェル。テスは許しを請うものの、エンジェルは単身南米へ旅立ってしまいます。


 手紙を送り、エンジェルの帰りを待ち続けるテス。そこに、またアレックが現れます。執拗にテスに言い寄り、テスはずっと拒絶し続けるものの、彼からエンジェルはもう帰ってこない、捨てられたんだ、待っていても無駄なのだ、と言い聞かされ次第にテスもそう思うようになってしまいます。

 しかし、エンジェルは帰ってきた!しかし、もう遅すぎる、と言い放つテス。そしてラストで大どんでん返しが待っています。



 美しく、そして素直で純情、嘘のつけない性格のために不幸になるテス。こういったストーリーは決して珍しいものではないですが、読んでいて腹が立って仕方がなかったです。運命って皮肉なものだと感じさせる代表的な作品ですね。テスが最後に送った手紙は、エンジェルが南米の奥地にいたためかなり遅れて届けられることになります。これがちゃんと届いていたら、こんな結末にはならなかったはず。ある意味、ロミオとジュリエットなのかな。


 エンジェルは牧師の息子であり、教えに背くことになるからテスを許せない。でも、この罪はアレックの罪であり、テス自身には全く非がないはず。昔は主人が外出中に主人の友人が無理やり家に上がりこみ、犯したとしてもその女性は主人が帰宅する前に自殺しているのが真の姿だといったことを聞いたことがあります。まず昔の小説には「貞節」や「貞操」という言葉はしょっちゅう出てきますが、今は殆ど出てきませんしね・・・今の考え方でいくと、エンジェル、許してあげれば良かったのに。

 ラストは全く想像のつかない展開です。悲劇なんだか、喜劇なんだかわからない。


 面白い!というわけではないし、結構暗い話は好きなはずなのに(『罪と罰』とか)読み終わると落ち込みます。何だか憂鬱になりました・・・。でも、本にのめり込んでしまうから、不思議です。

 ラストが気になった方、是非読んでみてくださいキラキラ


☆☆☆

 


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