図説「最悪」の仕事の歴史/原書房
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The Worst Jobs in Histrory
うん、そのまんま!



・・・・の訳にはなっているのですけれど、実は「イギリスの」最悪の仕事の歴史、となっています。

「自分の仕事がブラックだ、なんて思っていたのが恥ずかしくなりました」

という感想続出の、凄まじい仕事の数々。

4,5日ぶっ続けで起きていなければならない炭焼き人とか。

現代の研修医も真っ青!




図説 不潔の歴史/原書房

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↑と似たような感じの本でした。レビュー

これと同様、「図説」ではないですよ~。

特に興味深かったものを幾つか取り上げたいと思います。


武具甲冑従者

中世の最悪の仕事の一つ。


見ての通り、甲冑を脱ぐのは大変です。

戦闘中にトイレ休憩などあるはずがありません。


では、どうするかというと・・・・・・垂れ流し~~~♪


武具甲冑従者の仕事は、鎧をきれいにすること。

水は貴重すぎて使えないため、

良く使われた方法としては、砂と酢と尿を混ぜたものでこする、という方法をとったそうです。うげー。



死刑執行人


チューダー王朝時代の最悪の仕事の一つ。


最悪の中でも本当に「最」悪な仕事…。

この頃の死刑って絞首刑が普通で(と言っても、もちろん八つ裂きとか火あぶりもあります)、斬首というのは高貴な人にしか許されなかった死刑方法と言われています。

絞首刑だと、排泄物とかいろんなものが出るから・・・・・とか聞いたことがあります。

まあ、小説や映画では「高貴な人」の死刑しか出てこないから

むしろ現代から見れば、チューダー朝の死刑は、アン・ブーリン、トマス・モア、ジェーン・グレイ、メアリ・スチュアート等々斬首のイメージの方があったりしますが。

斬首よりも絞首刑のほうがずっと楽そう・・・・と思えてしまうのは、

当時の斬首はギロチンなんてないため、1回で絶命できなかったりする場合があるということや (メアリ・スチュアートなんて可哀想なくらいだった)

日本が死刑に絞首刑を採用しているのは、それが一番楽に死ねるから ということになっていることが

おそらく挙げられます。


が、しかし、現代の絞首刑とは違って、すぐに首が折れるような結び目にはなっておらず (あ、そんな工夫がされてたんですね)

当時は、時に30分以上かけて窒息死させられたそうで・・・・・・・。


衝撃的だったのは、死刑執行人というのは、自分自身も有罪判決を下された犯罪者であったということが多く、自分の首を守るためにその仕事に就いたそうです。

死刑判決を受けていた自分の父と兄弟を処刑することを条件に恩赦された者がいたり・・・・・。

あと、よく映画に出てくる執行人は頭からすっぽりフードをかぶっているけれど

ああいうのは普段から被っていたわけではないみたい。

非常に動きにくいので、もっと自由度の高いフードや、マスクくらいのものだったそうですよ。

それでも、執行人が誰かはバレバレだったようですが。いや、そもそも誰かが分からないようにするためのフードというよりも、象徴的な意味合いを示しているだけのようですけどね。

ちなみに、ロンドンでの死刑=ロンドン塔 というイメージがありません???

たった7人しかロンドン塔内では死刑執行されず、後はタワーヒルやタイバーンで執行されたそうです。



焼き串少年

スピット・ボーイ。

これもチューダー王朝時代の最悪の仕事の一つ。


ボーイ、とありますが、実際は少年が使われることはなく、見下す意味でそう呼んでいたらしいです。

少年には不可能な仕事。


なんせ、焼き串というのは、厚さ2センチ、長さ3メートルのもので

6キロもある牛肉のかたまりを100個刺すから

合計で500キロを超えます。

…・何人で回すんだろう?



御便器番


これもチューダー王朝時代の最悪の仕事の一つ。

つまり、ヘンリー八世のおしりふき、です。


屈辱的な仕事かと思いきや、王のおしりに触れられるなんて! ってことで

非常に名誉なことだったらしく (本当に喜んでたのか?)

もっとも私的な時間に王と二人きりになれちゃうという役得があります。


なんと、あのヘンリー・ノリス。

彼もまたヘンリー八世のお尻拭き係だったそうですよー。

後にアン・ブーリンと不貞行為を行ったと、処刑されていますが・・・・。


ヒキガエル喰い

スチュアート王朝時代の最悪の仕事の一つ。

なんだ、単なる見世物か? と思ったら、「単なる」見世物というよりも、

ヒキガエルを食べれば死ぬと同時皆が考えていたため、(毒はあっても致死量までない)

その「毒」を食べても、

この毒に効く薬があれば死なないよ! ということで

そのわけのわからない薬を売り込むために食べていたんだ・・・・・そうです。




というように、最悪の仕事となるとどうしても排泄物が関係するものが多くなるのかな。


尿はただで手に入るアルカリ性のものだったため、

様々な用途に使われたそうで、よく出てきました。


確実に出てくると思われた、悪名高いカストラート、煙突掃除人も出てきましたよ。

ただ、このあたりはあまりにも有名だから、別に読んでも面白くはないんですが・・・・。

カストラート [DVD]/日本コロムビア

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コンピューターで再現されたカストラートの声が聴ける・・・・というので

前から気になってるのですが、レンタル化していない↓↓


先日テレビでやると出ていて、録画予約したのに

直前になってやらなかったみたいだし・・・・(´・ω・`)



ある仕事と仕事をつなげるのが非常に上手く、

流れるような構成になっています。

「でも、○○と比べたら~~~のようなものである」 とか、

「○○をするには、~~~が必要であって、~~~はこんなにも大変であった」

のように。



ただ、問題なのが、こういう類の本って

最初の方が昔で、時代を下っていくので

どうしても仕方ないことではあるのですが・・・・・・どんどん面白くなくなっていくんですよねぇ。


それはどうしようもないけけれど。