お姫様とジェンダー―アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門 (ちくま新書)/筑摩書房
¥777
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おもしろい!!!!!!!!

うえに、ものすっごくためになる1冊。

とにかく読みましょう。

若桑みどり氏の著書で面白くないものはないと思うのですよ。

結構お固めのジェンダーとか、イコノロジーとかを、一般人が興味を持つきっかけを作るのがとても上手い方なんですね。

著者が女子大で教えた講義が基になっているため、これがもうめちゃくちゃわかりやすいの。

アニメや童話によって、いかに刷り込まれてしまっているのかがよくわかるように記されています。

1年、2年次で先生の講義を受けてきた学生が、3年次になってどう変化してきたか、というのも

コメントを通じて伝わってきます。


では、具体的に・・・・。


講義内で見せるアニメは、ディズニーの白雪姫とシンデレラ


著者は、その時の女子学生のコメントを、許可を取って原文のまま引用しています。

それがね、すごいのです!



まず、最初はプリンセス大好き派から。かなりはしょって書いています。詳しくは本書をどうぞ。

『白雪姫』を観た感想です。ちなみに、「」内は一人の感想です。



「とても夢のあるお話だと思います。」

「女の子であれば誰もがあこがれ、夢見ると思います。最後のキスはとてもロマンチックだなと思います。」


次に、やや批判的な感想を。


「白雪姫が家事をあたりまえだと思っているのは、問題では?私はちょっと押しつけのような部分は女性差別な感じがしました」


最後に、批判的な感想を。


「女王が白雪姫を殺すように家臣に命じたが、彼は『あんなかわいい子をですか?』と聞く。では、彼は白雪姫がブスだったら殺せたのか?」


「小人は老人で、しかも身長が低い。これは障害者であり、白雪姫は健常者である。」


「醜い女や醜い気持ちを象徴したのが魔女ではないか」


「男は仕事、女は家事となっている。白雪姫が家事をするから置いてもらえるというのはおかしい」


「鏡を見ない女だっているはず。女は鏡を見てばかりいるという前提で描かれている」


という感想を、クラスの中で読みあげ、ディスカッションをします。


それからどれくらい経ったのかはわからないけれど、

次に見るのは『シンデレラ』。


素直な感想。


「シンデレラのように待ってばかりじゃだめだけれど、心のどこかで憧れてしまっている自分は、やはり子供の時の話が刷り込まれているのだろうと思い、悩んでしまいました。」


次に、批判的な感想。


「ハンサムで金のある男と結婚するのが、女は一番幸せなのだということを描いている。」


「シンデレラが自らの境遇に甘んじているのはおかしい。なぜ家出をしないのか?」


「シンデレラは、王子であると知らずに踊り、踊った後に『あの男性もステキだったけれど、王子様にもお会いしたかった』と言った。しかし、彼女はガラスの靴を差し出し、自分が持ち主であることを主張した。踊った男性が王子様であると知らなかったのだから、シンデレラは王子様が嫌な人でも結婚したのか?」


「シンデレラは、ガラスの靴をわざと落とした。家来が家にやって来た時の笑顔がすべてを物語っている。かつて彼女ほど頭のいい、ずる賀しこい女がいたであろうか」


「ドレスアップしないと愛されないのか?」


「王子様が愛したのは小さな足」


「ガラスの靴は、なぜ消えなかったのか。ガラスの靴は『純潔』であり、ガラスはその透明さから純粋性を、靴はその形から女性器を示しており、シンデレラが純潔であったことになる。この物語は、女性は家事を辛抱してよくやって純潔でいると、幸福な結婚をして人生に成功するのだということを示している」





象徴としての女性像―ジェンダー史から見た家父長制社会における女性表象/筑摩書房
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これとか、名著中の名著。わたくしの修論でも、非常にお世話になりました。

これは買いたかったのに、絶版なのかなんなのか、中古でかなり高くなっていて・・・・。


↑は専門書だけれど、今回ご紹介するのは見てのとおり、新書です。

新書っていうのは、これがまた厄介でね、結構な方が参考文献を載せてくれない。

べつに新書に限りはしないのですが、結構専門的な内容に突っ込んでるのに、どこの文献を使ってるのかわからなくて困ったり、もっと知りたい、と思っても、各々探さないといけなかったり。


この著者が素晴らしいのは、文中にちゃんと誰の書いたなんという本なのか、書いていること・・・・!


その中で読みたいなと思ったのは、



白雪姫コンプレックス/晶文社
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エリッサ・メライド著。

白雪姫であったはずの自分が、40歳を過ぎ、いつの間にか継母になっていることに気づいた。

シンデレラ・コンプレックス―全訳版/三笠書房
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「白雪姫」とフェティシュ信仰/理想社
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これによると、グリム童話の初版では、白雪姫を殺そうとするのは実の母親だったそう。

ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい/朝日新聞社
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ジェンダー (図解雑学)/ナツメ社
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