ヴェルディのドン・カルロを聴いてきました。
社会人になって、平日19時開演のコンサートやオペラなんて行けなくなってしまったけれど
今回は土曜開催だったので・・・♪
教育文化会館でのオペラは初めて。
キタラのほうが雰囲気や音響は良いのだけれど、キタラにはオーケストラピットがなくって、
ステージの半分をオーケストラが占めちゃうという残念な感じだったので、こちらのほうがいいのかも。
字幕も上にあって、見やすくてよし。
全体的な感想としては、すごく良かった。
普段見ているものが、生ではないにしてもメトとか、ウィーン国立歌劇場とか、あまりにもハイグレードなものなので
日本人の生を観ると(日本人が悪い、というわけではなく、そもそもレベルの差が世界トップとは離れてて当たり前だと思う)う~ん・・・・となり、結局METライヴビューイングのほうが感動しちゃったりするのですが
今まで生で観た公演の中だと、ベストかもしれません。
特に良かったのは、タイトル・ロールのドン・カルロ役の所谷直生氏。
声が響いてて、すごく良かった。
あと、フィリッポ二世の大塚博章氏。
ちょうど数日前から耳の調子がすこぶる悪く、あんまり、というか、全然聞こえなくなってしまっていて
病院行きましたが、うん、仕事のストレスという可能性大(笑)
ようやく回復し出したところだったので、本当はもっと素敵だったのでしょうが・・・・。
ただ、このお二人と、大審問官の則竹正人氏、この3人が客演。
お!LCアルモーニカ、いいじゃん! と思ったのに、客演・・・・・。
ロドリーゴの演技は良かったけど、ちょっと声量がなぁ。
演出も私好みのシンプルな感じ。
西洋的な、古典的な。
舞台は16世紀スペイン。ええ、まさに、私の専門の時代。
フィリッポ二世っていうのは、実在の王、フェリペ二世のことです。
主人公はその息子ドン・カルロ(ドン・カルロス 実在の人物)。
ドン・カルロはエリザベッタと愛し合い、婚約までしていたのに、
エリザベッタは彼の父王と結婚・・・・・。
という、思いっきりドロドロの世界。
それに加え、迫害されたフランドルの民 という政治的な要因も重なり、
愛と嫉妬と裏切りと、政治・・・・という、ヴェルディお得意のテーマ。
こういう設定に合わせた音楽って、ヴェルディが最も得意としている気がします。
誰の心情も理解ができるし、あまりにも切なすぎる恋に胸を打たれ、
また熱い友情にも泣けるオペラでした。
王子の婚約者がいつの間にか王へ、なんて西洋史では珍しくもないけど(少なくとも、実現しなくてもそういう話は多いと思う)
本当に相手を愛していて、その相手が母に、なんてしんどすぎますよね・・・・。
現実的にはあり得ない話でありながら、思い切り共感してしまうところが凄いところ。
もう、泣きまくってきました(/_;)/~~
ロドリーゴとドン・カルロの関係は怪しいですね。この演出と字幕だと。
毎回気になるのが、観客って、ほとんど知り合いが出るからって招待客なんじゃないかなぁっていうこと。
なんかね、ほんとにオペラが好きで行く人ってどれくらいいるんだろうって・・・・。
お隣のお姉さん、爆睡してたし(苦笑)
幸い、音楽関係の専門の方と最近仕事で話す機会があり、
オペラ好きって、意外といいのかもしれないと思いました。
いないもんね、特に若者でオペラが好きって言う人・・・・。
いい会話のネタになります。