【α世界線】
あのぉ…マキナさん。
僕戻れるんでしょうか…？
（戻ったって…独りぼっちなんだ…それならずっと……）
戻りたい？
正直…複雑です…。
向こうの世界と比べたら…ここにはマキナさんがいて、すごく楽しくて、もう独りになるのはイヤだなって…
でも…向こうへ行った僕は……ショックを受けて、きっと淋しいんじゃないかなって…
悩む？
はい…
そっかぁ。
秋人ちんにも教えたんだけど、あなたにも教えておくね♪
本当は心の中でどうすべきなのかわかってるのに悩んだり、迷ったりして辛い現実をどんどん創り出す。
そこには誰も干渉なんかしてないんだよ。
ただ自分がどうしたらいいかわからなくて、自分を責めて、傷付けて、どんどん辛くする。
決められない自分を責める。
勇気を出して１歩踏み出せって魂が叫んでいるのに…頭がありもしない未来のことを考えすぎて踏み出せないようにしているの。
いつも思う。そこに気付いてほしいなぁって。
いい？ 現実は自分の思考が創り出しているの。全部が全部とは言えないけど。
こうなったらどうしよう…ああなったらどうしよう…っていう不安がその現実を創り出すの。
だからイヤな未来を想像するより、楽しくなるような未来を想像して？
要はイメージが大切なの。はっきりとした具体的なイメージ。
イヤな未来は具体的にイメージできるのに、楽しい未来のイメージって難しいでしょ。
そうなるように教育、洗脳されちゃってるから…。
なーんてね
偉そうにごめんね？
いえ、すごく…励みになります！
本当にマキナさんはすごいですね。
凄くないよｗ
みんな知ってることを言ってるだけ…
僕は…………やっぱり帰ります…。
事故の記憶が無く、起きたときにはリオさんの姿はそこには無く、死のみ伝えられ…ずっと引きこもっていました。
ちゃんと向き合ってなかったことを今でも悔やみます。
でも…マキナさんに言われて、一緒にいて気付き、気付かされました。
やっぱり僕は３年前と向き合わなくちゃいけないんだって。
マキナさん、もう一つだけ教えてもらってもいいですか？
うん？
マキナさんはこっちのアキトさんと会えなくて辛くなかったんですか？
う～ん…それは秘密♪
乙女にそういうのはタブー！覚えておきなさい？
アキトがどうしたいか決めたことだし、じゃあ前に進もっか♪
ど、、どこに行くんですか！？
わかんない！感じるままに足が動くままに任せるの！
アキトが決めた未来にもう進み始めてるから！
え、えぇええ！ どういうことですかぁ！？
－－－－－
【β世界線】
［タイムリミットまであと12時間］
海底より更に地下……こんなところによく研究施設を作れたもんだ…
静かすぎる……それに…弱い守衛。
誰もいないから適当に配備した…か。
遺跡に行った方が良かったのか…！？
くそっ！わからん！！
（…そういやマキナに言われたっけ…悩むことは感じるままにすぐに決めればいいって…）
いいんだよな…。
そう…ここにいるって感じたから来たんだ。
後戻りはできない。
……カチッ
え？
ウィィン
…？ 隠し扉……？
………
………
………
なんだよこれ……なんなんだよ！
許せん……だから自然が怒るんだ…
こんなこと……こんなこと…していいはずがない…
生命をなんだと思ってる……こんなの……あまりにも酷すぎる…
アキ……ト…
マキナか！？
今ここから出すからな！
ケホッケホッ……
大丈夫か…？
バカ…アキト…
ん？
バカ…アキト…
助けに来たのにバカってなんだよｗ
バカ…
バカ…
うん。知ってる。
遅くなって悪かったな。
（怖かった…だよな……そりゃそうだ。こんなところ。）
ほんと…遅いのよ……バカ…
そうだな。すまん。
（こういうときは…抱きしめたらいいのかな……でもそれ浮気…）
性格変わった？話し方も変わったし
（アキトの目をじーっと見つめる）
ん～…事情が複雑でなんと説明していいやら…
ふ～ん…なるほどね
君、違うアキトでしょ
え…まだ言ってないんだけど…
視たから
おいおいｗ こっちのマキナもそんな力持ってるのかよ…。
こんな能力…あるだけ不幸よ…
大変だろうな…視たくなくても視えちゃうんだろ？
そう……人の醜い部分が特にね…
自然の悲鳴も…動物の悲鳴も………全部…
んじゃここから早く離れるか…？
遺伝子操作された死骸だらけだ…
送ってあげたいの…
そうか。それじゃ俺も一緒に祈るよ
（根はすごく優しいじゃないか）
………
………
ありがとう///
え？今なんて？
ニヤけてんじゃないわよ、バカ
そういうとこは似てんだな～ｗ
こっちのアキトってどんな奴なんだ？
弱虫
それだけか？ｗ
そう、弱虫
でも、不思議と一緒にいたくなるの…
そうかｗ 本人が聞いたら喜ぶ？だろうな…弱虫ってのはさておき…
恥ずかしいから言うわけないでしょ//
気になってたんだけど…その顔のキズなに？
いや、知らない。
ナイトギアがキズ見てなんか言ってたな…
そう… （キズに手を当て） ごめんなさい。アキト。
あ、、あの～…すごく恥ずかしいんですけど…
君に言ってないからｗ
こっちのアキトＬｏｖｅなんすねｗ
あんまりからかうと斬るわよ？
まあいいわ、少し協力して。
へい。なんでしょうか。
目閉じて棒立ちしてて…絶対動かないで…
へい……
………
（すごく怖かったんだろう……
抱きしめられてる間…肌から伝わる微妙な振動と…腕に流れた大粒の涙が
彼女の恐怖を物語っているような…そんな気がした…）
－－－第29話 終わり－－－
うん！ β世界線のマキナ…ちっぱいで良かった！
このﾍﾝﾀｲ！
このﾍﾝﾀｲ！
α世界線の会話にSS入れようと思って撮ったんだけどうｐし忘れてしまった…
まいっか…ｗ