「結論から言うと、治療が必要ですね」

触診が終わり着替えをしている私に、先生は一言そう言った。

「紹介状を書きます。どこがいいですか?B病院か、RSか、K大か・・・」

「・・・それって、乳癌って事ですが?」

「ほぼ間違いないですね。どこがいいですか?」


こうして私は乳癌患者となった。
え?
告知ってこんな感じなん?

何の説明も、画像確認も一緒にせぬまま
紹介先の病院を尋ねられている私。
何じゃこらと思いつつも、

「乳房を温存する治療をして下さる病院がいいです。
それと抗がん剤は使いたくないので、そういうのを
理解してくれる病院ありますか?」

「う~ん、そうですね。

B病院は最近執刀医が変わったんですよ。
RSもいいですが、K大の方がマンパワーもありますし、
手術もあまり待たずにできるかもしれませんね。

それと、この画像を見る限り乳房温存は難しいと思われますので、
K大だと整形もありますし、全摘したあとの乳房再建にもいいと思います。

K大に紹介状書きますね?」

ほ、ほう・・・・
この短時間に様々な衝撃的な情報を、さらっとおっしゃるのね。
私は覚悟はほぼできていたから、平常心で聞けましたけど
メンタル弱い方とかにはちょっとハードなのではないかしら?

K大への紹介状と返却不要と赤字で書かれた
マンモグラフィの画像を受け取り、会計を終えた。

こうして平成27年1月末日、
木枯らしがさっと吹くように、私は乳癌患者となりました。