なぜだかわからないけど、
ずっと昔から乳癌を恐れていた。

乳房って、女性にとって特別なもの。
女性らしさの象徴である乳房を失う可能性がある乳癌を
若い頃からとても怖がっていた。

だから今回乳癌になったとき、
ああ、こんな運命が待っているからこそ
私の野生の感が働いて、
あんなに恐れていたのかな・・・なんて思ったのでした。

実は初めて乳癌を疑ったのはまだ20代半ばの頃。

しこりの存在に気が付き
今とは問題にならない程びびりながら初めて訪れた乳腺外来。

しこりはあったものの、
「将来妊娠して子供ができて授乳したら治るよ」と言われ、
そっか、そんなもんなんや~と心底ほっとした。

それからしばらくして結婚、そして妊娠、出産。

出産してから6年後、
しこりが痛みだした。

あれ?
出産して授乳したら治るんちゃうん?

不安な気持ちを抱え、ネットで探した
乳腺の専門医がいる町のクリニックを訪れた。

マンモグラフィの信じられない痛さに耐えながら、
触診の時に触れるしこりにびびりながら、
診察を終えた。

その時にはマンモの結果は一週間ごと言われたような気が。
一週間後に結果を聞きに訪れたら、
乳腺が固くなってはいるけれど、
治療の必要はなく、そもそも癌の場合は痛みがないからねと言われ、
心底ほっとした。

ああ、よかった。
そうなんや、癌は痛くないんや。

その後もしこりを抱えながらも、先生の『癌は痛くない』という言葉に
安心感をもちながら日々を過ごしていた。