2年前、父を胃癌で亡くした。

頑固で家族の話など聞く耳持たず、
我思うままに生きてきた父。

ビールが好きで、
パチンコ、麻雀、競馬が好きで、
いっぱい稼いで、いっぱい遊んだ父だった。

胃の不調があり、
近所の総合病院に行ったところ胃癌が見つかり手術。

胃の壁を突き抜ける程、
大きな腫瘍を見せられた。

手術後、
麻酔が切れかけ、
弱さを見せない父が痛みに七転八倒する姿は怖くて。
簡単な手術などないことを思い知った。

その後は無事回復を果たし退院。
間も無く遊びが大好きな父へと戻った。
胃の多くを切り取って、
前のように多くは食べられないけれど、
毎日外出できるほど、元気になっていた。

そんな中始まった抗がん剤治療。

あんなに元気になっていた父が、
みるみる病人へと姿を変えていった。

毎日外出していた父は、
いつしか家の中すら自由に歩くこともままならず、
つまずいて支えようと手を出すと、
その手が骨折する始末。

こうやって、父はボロボロになっていった。