昨日、稽留流産の手術を終えました。
あんまりこういうことは赤裸々に書くものではないのかもしれないけど、
ずっとブログを書いてきて、どちらかというと辛かったこととか、忘れたくないこととか、自分の胸のうちを綴ってきて
時々見返したりするんです。ああ、私この時、こんなことあったんだ、って。
そして、その記録は全部とっても大切なものです。
人に見せるためのというよりは、自分のものとして大切にしているから
だから、このことも、私は絶対に忘れないんだけど残しておきたいです。
夫は仕事なので一人で行ってきました。
家を出る前に、「元気でまた会うんだよ。今日は頑張るよ」とおなかに話しかけました。
手術台にのって、点滴を入れているとき、看護師さんにずっと聞きたかったことを聞きました。
取り出した赤ちゃんは見せてもらえますか、と。希望があれば見せられる、ということだったので、お願いしました。
もう心残りはなく、静脈麻酔がはじまり、あれ?眠くなって来ないけどなー、なんて思った瞬間に意識がとぎれました。
気が付くと待機していた病室のベッドの上・・・のようです。
もうろうとしたなかで、何か話しかけられて、はい!はい!と一生懸命返事をしていたような記憶が。
だけどめちゃくちゃおなかが痛い。体験したことないくらい痛い。そして信じられないくらい気持ち悪い。
目があかないけど、「おなかが痛いです。。」「気持ち悪い。。」と看護師さんにひたすら伝えていました。
ガーグルベースンを置いてもらったり、ナースコールを手に握らせてもらったんだけど
「たぶん、そうしてくれた」ぐらいの意識で、何も状況がわからずひたすら痛みと吐き気との戦いでした。
途中様子を見に来てくれた看護師さんに、(多分血圧が低かったせいか)痛み止めは今使えないと言われ
絶望して意識が遠のいたのですが、次に目が覚めたら、うそのように体が楽になっていました。
今の病棟もふくめずっと外科系で、術後の患者さんの看護をしてましたが・・・
初めて看護される当事者の気持ちがわかりました。術前の不安、悲しさ、とまどい。術後の、痛み、吐き気。喪失感。
人生で一番余裕のないとき。医療者の目線だったり、表情。声のトーン、声掛け、タッチング。そういったものがすべて
患者さんにとても敏感にダイレクトに響くんだなってこと。
業務に追われて、わかってたはずだけどおざなりになっていたことが沢山ありました。
たろうはもしかしたら、「妊娠できるんだよ」ってことだけじゃなくて
「ちょっと、ちゃんと仕事しなよ」って、教えに来てくれたのかな、なんて思ってしまいました。
二時間すこし休んでいたようで、状態も落ち着き、別室に案内され、たろうと会いました。
処置によって、形を保っていないけど、それでも見ますか?と確認され、
見せてくださいとお願いしました。
フィルムケースのなかのたろうは、言い方は悪いけど確かに、組織という言葉のほうがしっくりくる姿でした。
たぶんすごくちっちゃいのと、吸引されたほかの組織も入ってるので
これか?いや、この部分か。。?とどれだけまじまじみても、わからなかったです。
だけど、ケースを抱っこして、手を合わせて、お礼をいってさようならが出来ました。
それで、すごく救われました。
診察後、帰宅して みるちゃんがひたすら労ってくれ
そのあと夫も帰宅。結婚して、数回目というレアな夕食を作ってくれました。
夜、同じ体験をした方たちの掲示板やらブログを読んでいるとき、
「ママ、さよなら、ありがとう」という池内明先生という方の本が良いと紹介されており
さっそくkindleで読みました。
この体験を、悲しいものにしてしまうと、ママのために何かを伝えに来た赤ちゃんが
かわいそうな思いをすることになってしまうんだな、ということがわかり
うじうじするのはやめようと思いました。
それでも時々は泣いてしまうと思うけど、でも、きっと大丈夫なような気がしています。