初めてYahoo!オークションなるものに参加してみました。あれは不安なイメージが強くてなかなか手を出せないエクストリームスポーツだったのですが、今回は必然性ができたので意を決して。
じつは数ヵ月前から録画機(ブルーレイレコーダー)に不具合が出てましてですね。録画しといたものを再生することはできるのですが、番組を録画することじたいができなくなっていたのです。よってテレビをつける時間が激減。よく見ていた番組も、ほとんど見なくなってました。
いっぽう、11月に来た電気代の請求額にビックリ。前月の請求が7000円代だったのに対し、このたびは3000円代を切り2000円代へ。わしはいったい、どんな生活をしていたのか?
エアコンがいらなくなった季節になったのもありますが、やはりテレビが大きかったのではないか? テレビは意外と電気を食うっていうからね。
ここ数年はテレビをつける時間も大幅に減ってはいた。生活に欠かせないものだと思っていたテレビをつけるのが、どんどん億劫になっていくのを感じていた。どうしても見なきゃと思うような番組もなくなっていった。そしてついに、録画機の不具合をきっかけとして、いよいよ見なくなってしまったのです。その結果が電気料金に出た、ということか。
とはいえ私はスカパー!へ加入していて、目下「16日間多チャンネルプレゼント」なるサービスの期間中でもある。このままではモッタイナイという思いもある。よく考えたら『探偵!ナイトスクープ』と『5時に夢中!』の木曜日回くらいは見といたほうがいい(いずれUHF系の番組だな)。このままというわけにもいかないので、面倒くさかったが新しいのを購入することに。
ネットでいろいろと調べていたら、ちょうどこれまで愛用していたのとおなじ型式のやつがヤフオクに安価で出品されていたのを発見。これなら廃盤ではあるが、いちいち使い方を覚え直す手間も省ける――ということで、いざ参加! おなじものを狙うライバルもいたが、タイムリミット残り30秒にて落札成功してしまった。そうか、こうやってやるのか。本体が2000円代+送料1500円で計4000円代の前半という格安で入手できたことに。でも不安は募る。初めてのことだから。
まもなくモノが到着。リモコンはついてない。これまで使っていたものを使えばいいのだろうが、一部ボタンの接触が悪いのか、いちいち両親指で思いきり押し込んで反応してくれるかどうかのポンコツになっており、指が痛いのなんの。だからリモコンも新しいの(いくつかの機種に対応できるのがあった)を1500円で購入。
本体はアンテナの接続作業にやや往生したものの、なんとか設置完了。いまのところ問題なく動いてくれています。最初に録画してみた『水曜日のダウンタウン』、スベリ-1GPなる企画をやってて面白かったわ。
今日よる10時~放送!!
— 水曜日のダウンタウン (@wed_downtown) December 6, 2023
▼スベリ-1GP 地下芸人事情に詳しい芸人8組が、芸歴16年以上にも関わらずスベリ続けている芸人をそれぞれ推薦し、現役NO.1スベリ芸人を決める…まさかの賞レースが開幕!出場者にも観客にも「スベリ-1」であることは伝えず…芸人たちは全力でネタを披露!#水曜日のダウンタウン pic.twitter.com/1iThA6PPr9
録画機についてはそういうことで、ひとまず落ち着いたもようです。だけどこのテレビをつけなくなった数ヵ月のあいだ、見なくても気にしなくなった番組のなかにはアレがある。『ワールドプロレスリング』だ。
新日本プロレスでは、もう何年も何年も面白いと感じさせる試合に出会っていない。いくらファンやマスコミから高評価されようが、私の胸には刺さらないのだ。印象に残る選手がいないのはもちろん、ベストバウトに選ばれるような試合でも記憶に残るようなものがひとつもなかった。
週プロの新日本の記事は担当記者の書き方が嫌いなので、本文は読まずに面白そうなことはないかとチェックするだけ。そしてそんな作業ですら無駄に終わる安定のつまらなさ。一応テレビだけはつけるようにしていたものの惰性でしかなく、正直、時間を無駄にしている感すらあったのだ。
このたび『ワールドプロレスリング』は録画されなくなった。しかし「しまった!」という気持ちがまったく湧かなかった。放送時間を忘れるのが当たり前になってしまっているし、たまに気づいてもテレビをつける面倒くささのほうが勝ってしまう。末期だな、こりゃ(笑)。
いまのプロレスには私を動かす魅力がない。まったく違うものになってしまった。その要素はいろいろとあるのだが、ひとつ挙げるとすれば、それは「対世間」もしくは「対多数派」。世間から偏見の目に晒される宿命にあるプロレスが、偏見持ちな輩の首根っこをつかんでケンカを売る――そんなプロレスだから私は心を奪われたのだ。
それが、いまはなんだ? 世間に媚び、世間に迎合し、すっかり安心して見れるプロレスになってしまった。情けないやら恥ずかしいやら。そんなのはプロレスとは呼びたくない。
かつて『ギブUPまで待てない!! ワールドプロレスリング』が当時のファンから強い拒否反応を浴びたのも、世間に媚びたと判断されたからだろう。「そんなプロレス番組はいらん!」と、ファンが本気で怒った。あれは当然の怒りであった。
いまもそれと大して変わらない。『ギブUPまで待てない~』の教訓は活かされず。ただ当時と違うのは人気タレントを使ってバラエティ番組にしてるわけではないことか(人気タレントはたまに出るけど。雰囲気はバラエティ番組に近いけど)。あと大きいのは、怒れるファンが激減してしまっていることだろう。怒れるファンは愛想をつかしてどこかへ行ってしまった。いまは、ただ、ただ、平和である。悪い意味で。
そういえば拳王が「DDTはプロレスじゃなくて演劇」と揶揄する発言をしていたことがあったが、あれは近年のプロレスラーとしては上々の挑発行為だった。かたや「あれもプロレス、これもプロレス」と表現する者もいる。そういうのはあまり好きではない。多様性を都合のいいものへ置き換えてしまってるように思えてならないからだ。それよりは、もっと互いのスタイルを否定し合うようなことをやってほしい。仲よくするのではなく、モメてほしい。
ターザン山本氏によると、いまの新日本には猪木さんを知ろうともしない若手(=Z世代)がいるらしい。棚橋プロレスをリスペクトし、そこには闘いがないことを認めてしまっている発言をしたのだという。
まぁ見りゃわかるけどね、あんなプロレスをしてれば。だけど選手みずからが言うんであれば決定的だわね。闘いをやっていない。ますます見る必要がなくなりましたわね。
猪木がいない。知らない。ブシロードプロレス! - ターザン山本/柴田和則 https://t.co/gxxnNtdr02 #Voicy
— 左卜全温度チアシードリーファンクジュリアにハートブレイク (@_30776506271) December 8, 2023
いまの新日本プロレスには、猪木さんを知ろうともせず、最初から闘いのあるプロレスをやろうともしない若手がいるらしい。楽しいプロレスがしたいんだって。そりゃ面白くならないわけだ。
あと週刊プロレス。辛うじてまだ購読はしているものの、毎週毎週、こんなのを買ってていいんだろうかと思わないことがない。こないだのなんか、ついに1ページも面白い記事がなかったよ。
でも、たまーにじっくり読んでしまうものもある。例えば9月13日号に掲載された記事なんだが、以下へ引用してみる。
週刊プロレス創刊40周年企画 週プロを語る② 天龍源一郎「プロレス愛があるならば」(取材/松川浩喜)
―― 連載という意味では天龍プロジェクトが旗揚げされた2010年7月に対談連載「龍魂継承」がスタート。以来、「龍魂時評」「月刊龍魂時評」と形を変えながらじつに13年、連載を続けていただいています!
天龍 メガネスーパー(SWS)に限らず、その後もいろんな思いをして、いろんな人と試合をして、いろんな気持ちの変化だとかを覚えたから、いま書けること、言えることがあるんだと思うよ。俺の連載を読んで「このヤロー、(プロレスを)辞めたくせに好き勝手言いやがって」と思うヤツもいるだろうけどね。
―― 記者が書いた記事に文句をつけるならまだしも、天龍さんに言われて噛みつく選手はそういないと思いますが・・・。
天龍 そういないってことは、少しはいるってことなんだろ?(ニヤリ)
―― いや、まぁ、そう・・・なのかな。
天龍 でもね、こういう時だから言わせてもらうけど、週プロこそ美辞麗句を並べて、選手や団体をほめたたえる記事ばかりを書くんじゃなく、時には厳しい言葉や提言をしていいんじゃないかな。
―― 厳しい言葉を。
天龍 昔の週プロはそうだったじゃない。メガネスーパー以外にも、いき過ぎた言動で選手や団体とモメたこともあったかもしれない。だけど、それはプロレスを見て感じた素直な言葉だったんだろうし、プロレスが好きだからこその愛のムチだったんじゃないの? 俺もさんざん書かれて、その時は「コノヤロー」と何度も思ったよ。少し経って振り返ると、あの時書かれたことはこういう意図があったんだなと理解できることもあったからね。
―― なるほど。
天龍 仮にモメたっていいじゃない。それを誌面に反映させれば読者は興味を示すよ、みんなモメごとが好きなんだから。
―― 時代が変わろうと、人の不幸は蜜の味ですからね。
天龍 厳しい厳しいと言われるプロレス界だけど、お客がお金を払ってでも見たいと思わせるカードを組めばちゃんとチケットは売れる。雑誌が売れない時代と言われるけど、読者がお金を出してでも読みたいと思わせる記事を載せれば売れる。かつて御誌と俺や長州がもめた時なんて、ちゃんと誌面に反映させて、ちゃっかり儲けてたじゃない。厳しい意見もちゃんと書いて、それが原因でモメたらモメたで、その時うまく起承転結がつくように考えればいいんだから。ビビってちゃダメだ。
―― いまやプロレス専門誌は週プロのみになってしまいました。
天龍 だからこそ、だよ。いま専門誌は御誌しかない。御誌しかないからこそ、いい試合をしたらいい記事を書いて、ダメだと思った時はビシッといく。SNSが普及して、ファンが「あの試合はダメだったな」「アイツはふがいなかったな」といろいろ書き連ねてるけど、どれもこれもそこに責任はないからね。言いっぱなしの書きっぱなし。でも、週プロには40年という歴史があって、記者それぞれの名前がある。少々厳しいことを書いたところで、ちゃんと会場に来て選手の取材をしてれば「週プロが書くなら・・・」と選手も団体も、納得しないまでもグッと飲み込むよ。むしろ、思ってもいないヨイショ記事ばかり載せてたほうが読者に見透かされちゃうよ。
―― プロレス界は団体とマスコミは共犯関係にあるとも言われます。
天龍 確かにそういう一面はあるだろうね。でもね、だからこそ一線を引くところはビシッと引いて、言うべきところはちゃんと言った方がいいんだよ。さっき13年、連載をやってると言われたけど、そこは忖度なしで言いたいことは言わせてもらってるから。
じっくり読んでしまう記事の代表例が、天龍さんの週プロへの辛口意見とはね(苦笑)。だけどこれ、6年半前にここの「龍魂時評は週刊プロレスを変えられるか?」でも指摘していたことと内容的には一緒なんですよね。あのときも天龍さんは週プロのヌルさを指摘していた。
あれから週プロは変わったのか? なんにも変わってないもんね。ヌルいまんまだもんね。これからも変わらないだろうね。面白いことをしてやろうというスタッフなんか、いないもん。
強いて挙げればこのインタビュー記事の直後くらいに、批判的に見える試合レポートがあるにはあった。しかしそれは試合内容がダメだったのか結末が両者リングアウトだったからダメだったのか、よくわからない書き口で。リングアウトはプロレスのうちだし、客が望んだとおりの展開にならなかったからといって批判するのは違うんじゃないかと思ったけど。だけどそういうネガティブ記事も、それっきり見かけなくなった。苦情でも来たのだろうか? そんな苦情でやめたんだとしたら、やっぱり今後もヌルいまんまなんだろうな。
ときどき思う。いまの週プロスタッフは、それがしたくてその世界へ入ったのか? いまの週プロスタッフは、いまのプロレスを本当に面白いと思ってるのか? 本音はどうなんだろう。
天龍さんの言う「美辞麗句を並べて、選手や団体をほめたたえる記事ばかりを書く」は本当のことでしょう。言い返せないでしょう。読者だって、とっくに見透かしてるんですよ。それってプロのライターとして恥ずかしいことなんじゃないんですか。いいんですか、それで?
いまやプロレスをする側も、プロレスを報じるマスコミも、本来やりたかったであろうことよりも、カタチを残すことに必死で。生活することに必死で。だったらもう畳んでしまえばいいのに。
"闘魂"とは何か?
— ターザン山本! (@tarzany) December 8, 2023
その答えは簡単だ
シンプルだ
「自分に嘘つくな!」
お前はウソだらけだ
バカヤロー!
会場にはプロレスに寛容な客に満たされてるのを前提におこなわれ、心地よい空間を共有する――こういうプロレスをされたら胸に残るものは何もなくなる。
世間には「プロレスなんか~」と高をくくってみている者がかならず存在する。来場者のなかにもいるし、プロレスファンを自称する者のなかにもいる。そういう者どもを意識しなくてはダメだ。「あいつらの鼻を明かしてやる!」「やつらの認識を覆してやる!」といった、強い怨念のようなものを宿らせたプロレスを絶対に消滅させないでくれ。その結果、ヒいてしまう者がいたとしてもいいではないか。
私はプロレスとの引き合いに怪談で例えることがあるが、ここでも使わせてもらう。
「怪談? あんなくだらないもの・・・」と高をくくった者がいるとする。だが、そういった見方をする者を震え上がらせることができたら怪談側の勝ちだ。それでその者が逆に興味を持ってくることもあるかもしれないが、恐れおののいて去っていったとしても、やっぱり怪談側の勝ちだ。無理に追っかけて引きとめる必要はない。
プロレスにも、こういう姿勢が必要だ。プロレスが世間に媚びてしまっては、プロレスの存在意義が問われるであろう。
時代? なんでもかんでも時代のせいにするんじゃないよ。どんだけ時代が変わろうと、譲ってはいけないものがあるんだよ!
繰り返す。この業界は、古くからのファンや、うるさ型のファンには去ってもらいたいと思っている。都合の悪い意見を言うファンは排除したがっている。
でも残念でした。私は都合のいいファンにはなりませんよ。