撮影も順調に済み、1時間後にはテレビ局を後にすることができた俺は、真っ直ぐに事務所を目指した。


「…あれ?
最上さん、社さんは…?」


ラブミー部室のドアを開けると、そこには最上さん一人だけしか居なかった。


「あ、敦賀さん。
お疲れ様です。
…もしかしてメール見てらっしゃらないんですか?」


…メール?

そういえばさっき…。

ポケットの中の携帯を取り出し、メールを開いて納得した。
…したが。


『蓮、お疲れ。
邪魔はしたくないから悪いけど先に上がらせてもらうよ。
明日は珍しく午前中オフが取れたからな、キョーコちゃんに癒して貰えよ。』


…社さん…。(-.-;)

まだそこまでいってませんって!

…いきたいけど。

いや、今日こそは絶対に決める!

決心も固く最上さんを振り返ると、彼女は既に身支度を整え、ショルダーバッグを肩に下げていた。


「…じゃ、行こうか。」


「はい!」




そうしていつもの様に最上さんの作る夕食に舌鼓を打ち、2人並んで食器を片付けた後、食後のコーヒーを入れた。


「…はい、いつもありがとう。」


何度も来てくれている彼女の為の専用のマグカップに、砂糖とミルクを入れて手渡すと、にっこり笑って受け取った。


「こちらこそ、ありがとうございます。」


最上さんが口をつけるのを見届けてから、思い切って話を始めた。


「…ねぇ、最上さん。
これから俺が話す事、ちゃんと聞いてくれる?
大切な話なんだ。」


「…え…?」


何を言い出すのかと、キョトンとしている。

そんな顔で見られるとちゃんと話が出来るか自信がない…。


「…これから俺が話す事は、演技でも、冗談でも、嘘でも、からかってるのでもないから、本気で聞いてくれる?」


「……。」


最上さんは俺の顔を見て、少しだけ震えていた。

…怖がらせたい訳じゃないんだけどな。


「…はっきり言うね。
最上 キョーコさん。
俺は君が…好きです。
…俺と…付き合って下さい。」


言葉を理解するのにしばらくかかったらしい。

固まっていた最上さんが急にわたわたし始めた。


「なっ、な、な、な!?
何を言って…!
じょ、じょうだ…!」

「冗談じゃないってさっき言ったよ。」


「う、嘘…!」


「でもない。」


「あ、お、おしば…!」


「…お芝居する必要、ないでしょ?
からかってもいないよ?」


さっきも言った。

そう告げると、彼女は首をふるふると横に振った。


「…つ、敦賀さんには、す、好きな人がいると…!」


…それは聞き捨てならないな。


「…誰がそんな事言ったの?
俺、君以外で好きになった女の子、いないよ?」


「へ…?
だ、だ、だって、確か4つ年下の高校生だって…あれ!?」


…好きな娘の話は確かあの鶏の彼にしか話していない筈なのに…。

不審に思いながらも最上さんを見ると、両手で頬を押さえながら真っ赤になっていた。









やっぱし告白はストレートに!
天然記念物的乙女には真っ正面から攻めました。
でもまだ続く告白タイム。
全部告白が終わるのいつだろう…。orz(T_T)