先日の日曜日に、当校の介護職員初任者研修の講師をした。その日の講義内容は「こころのしくみの基礎的理解」。
その講座の中にはマズローの5段階欲求説がある。
ご存知のように行き着くところは「自己実現」
自己実現に向かうまでに、色々な段階があり、過程過程でさまざまな壁にも遭遇する。
マズローが定義しているのは、分かりやすく言うと、自己実現はこころの底から素直に湧き出る、本当になりたい自分の姿と言うことだろう。
自分もこの講義をするにあたり色々勉強したが、とかく日本人は自己実現の領域に行くことが、たとえばアメリカ人に比べると難しい性質らしい。
日本は古来から和の国であり、集団で生活や仕事をしてきた民族だ。
その集団力のパワーで日本がここまで発展してきた他国に負けないものがあるのは間違いない。
しかし、反面、「個」をみると他国よりストレスを溜めやすい事や、自殺率が高いなど「個の自己実現」でみると、統計的に世界的に低い数値になっている。
集団で生きる習性がある事で「自己実現」を妨げているのは、他を非常に気にする人種だと言う事だ。
他人に悪く思われたくない、他人はどう思っているだろうかなどなど、、、
他人が期待する人間になるのは日本人は得意だ。そして評価するのももちろん他人。
他人が期待する人間になる事が正しいと自分でマインドセットする。
つまり自分のこころの底から出る本当になりたい自分に蓋をする。
そして困った事に、他人を評価して悪い噂話をするのが楽しい人種らしい。
特にいまは、ネットからの情報がほとんど無限といって良いほど瞬時に入ってくる時代で、どれが正しい、どれが間違いも分からない時代。
しかし、マズローを勉強していくと、本当は自己実現するのに正しいも間違いもない事に気づく。
時代がこれから大きく変わっていく中で、われわれ日本人も、もっと自分を大切にしていかなければいけない。
介護の仕事をする事で、「介護」だけの一点ではなく、人間の本質や、あるべき姿など、色々な事を学ぶ事ができる。
われわれの人生の先輩が、ある意味自己犠牲をしながら今日の豊かな時代を作ってくれた。
そして、これからは自分たちの世代が、「個」をもっと大切にしていける時代を作っていかなければならない。
過多な情報を遮断(ネットからの情報、他人の評価を含む)し、こころの底から出る本当の自分になれるような生き方をしていきたい。
人それぞれ、成りうる者に成らなければならない。
と言いながら、このBlogもまた情報発信のひとつだ