運命の出逢いは、いきなりやって来た!
それは、9月24日に開催された舩井フォーラム2017のKan.さんのワークプログラムを受けに行った時のことでした。
その会場に、思いもよらない方の作品があったのです!
こ、これは、彫刻家・薬師寺一彦さんのアクリルアートではないですか!
私は、ずい分前に、この方の記事を書いていました。
薬師寺さんは、尾びれを失ったイルカのフジに、人工尾びれを作って下さった方なのです。
☆イルカのフジ
亡くなった彼は、沖縄で放送されたドキュメント映画の中でイルカのフジと共演していました。
その後、一緒に沖縄の美ら海水族館へ行き、フジに再会して来ました。
その帰り道、薬師寺さんの作品もお見かけしていたのです。
彼もフジも亡くなってしまった今、薬師寺さんの事も遠い存在になっていました。
ところが、思いがけないチャンスが巡って来たのです。
会場に置いてあったハガキで、東京で彫刻展があることを知ったのでした。
☆スタジオHARAKARA
そして、12日「ホピの予言」を観た後に、行くことにしたのです。
会場には、最初、受付の女性(後に奥様だと判明)しかいらっしゃらなかったのですが、やがてその女性と入れ違いに薬師寺さんが上がって来られました。
龍珠 (ryu tama)⬇︎
薬師寺さんは、瞬時に私のペンダントをどなたの作品か見抜きました。
阿寒湖の西田智三さんには、お会いした事はないそうですが、ご存知だったのです。
それから、薬師寺さんと色んなお話をさせて頂きました。
Homura⬇︎
原因不明の菌が足に入り、切断こそ免れたものの入院を余儀なくされ、それがジュエリーの作品を作るキッカケとなったというお話もされていました。
中に龍がいます⬇︎
故・星野道夫さんに捧げるトーテムポール⬇︎
私は、この作品をひと目みた時に、「ワタリガラス!」と思ったのですが、何と、星野道夫さんが関わっていたとは驚きました。
☆ワタリガラス伝説
「ミチオくん」⬇︎
参考☆第9回 ココリラ
KUMA⬇︎くまの横にいるのは水の精霊です。
そのうち、薬師寺さんがホピのルーベンさんの話を始めたのです。
あー、思い出しました!彼もホピと関係していた事を。
何という事でしょう。その日は一日中ホピに包まれた日となりました。
龍滴⬇︎
薬師寺さんは、私にこのようなお話をして下さいました。
☆第8回 ココリラより抜粋
「ネイティブアメリカン、ホピの長老との出会い」
イルカやクジラのアクリル彫刻作品を生み出す中で、ジュエリーの制作も手がけるようになった薬師寺さん。
そのきっかけもまた、水と関わる大切な出会いからでした。
ネイティブアメリカンのホピ族の水の長老、ルーベンさんとの出会いです。
『ネイティブアメリカン、ホピ族の長老であるルーベンがフジの人工尾びれの話に感動してくれ、私にジュエリーを贈りたいと言ってくれたのがきっかけでした。
当時、アクリルのオブジェしか創っていなかった私は、彼のその申し出に、私もジュエリーを創り、交換しようという約束を交わしました。
「ホピの土地を訪れたい!」という思いが突き上げてきて、セドナへ行きました。
ホピ族は、セドナから更に車で5時間ほど行ったところにあります。
セドナでガイドをしている日本人の女性に 「若い水の部族の長老がいるので、会わせたい」 と言われて、紹介してもらいました。
彼はホピの、水に対する思いを語って聞かせてくれました。
人の生死と水の循環が重なるホピの生命観についてや、彼が中心となって行ったホピの水を守る活動についてなど、様々な話を聞きました。
フジに出会った時、鍵穴に鍵をカチャッと入れて “カチッ” と音がした感じがしたんですが、同じように、ルーベンに会ったときも、“カチッ” と音がしたような気がしました。
「俺、彼と一生付き合う仲になるな」 と直感しました。
ルーベンも僕と同じ作家で、同じ年齢。僕に足らないものを持っているのがわかりました。
また、彼に足らないものを僕が持っているのも。遠く離れた地に住まう兄弟のような。
僕は、いつもルーベンに、「アメリカの宝と言われる作家になってくれ、俺もそうなるから」 と言っています。
お互い頑張ろうという話をいつもしています。
ルーベンは、もともと、イルカのフジの名前の富士にとても惹かれていたんです。
ちょうど、私が訪れる前に、何度も富士山の夢を見ていたらしいのです。
数年後、ルーベンは富士山にも登りましたし、昨年は、私も一緒に富士山の見える水の綺麗な忍野八海を旅しました。
その時に私の作品は彼に手渡すことができました。
(シルバーの上部が富士山を表しており、青い水が龍の形になっています。こんな感じのものをプレゼントしたそうです。)
僕が足の手術をした時、たまたま友人がセドナとホピを訪れ、ルーベンに私の足の話をしたらしいんです。
そうしたら、ルーベンが儀式で使う大切なイーグルの羽を友人に預け、私に届けてくれたんです。
イーグルの羽をもらってから、しばらくしてルーベンが日本にやってきて、共に旅をした時に、その時儀式に用いていたコンドルの羽を私に手渡し、「この羽もカズがもっててくれ」 と言われました。
彼らの言い伝えでは、2つの羽が揃うことが重要で、イーグルがマインド、コンドルがハートを表すらしいのです。
これにも意味があるだろうと大切に預かり、時折祈りに用いています。』
<抜粋終わり>
アクリルは、ガラスより丈夫で透明度も高いというお話や、アクリルは制作過程で縮んで固まるというお話もして下さいました。
参考☆第1回ココリラ
薬師寺さんは、自分用に作ったフジと同じ尾びれを着用し、海を泳ぐとイルカやクジラが寄ってきたそうです。
そんな薬師寺さんには、フジ以外にも忘れられない一頭のイルカとの思い出があるそうです。
Slow Dance⬇︎
こちら⬇︎のお話を是非お読み下さい。
参考☆第2回ココリラ
そして、最近の薬師寺さんがKan.さんと共に取り組んでいるものがあるんです。
それが、昨年から制作を始めた「十二精霊像」。
こちらは、「彫像・書・写真」が一組で一体の精霊を表現する現在進行形のアートプロジェクトになっています。
薬師寺さんはこれまで、人・動物・自然が共にあった太古の記憶を辿るように、自ら海でイルカやクジラと泳ぎ、 森で野生動物に出会い、水の聖地を歩く旅を続け、そこに宿る精霊の氣配を彫刻にしてきました。
薬師寺さんが、自然や野生動物たちと繋がる旅を通して感じたエレメント・精霊の気配をアクリル彫刻で表現し、そこから感じられるエネルギーが書となり、旅の写真と書を日本の伝統的な美を表現する表具で、十二精霊像の世界観を作り出しています。
現在、三体が完成しています。
「十二精霊像」のすべてに共通しているのは 「命」だそうです。
◆ ① ツチヌ (陽の光が届く表層の海の精霊)ザトウクジラが寄り添う
◆ ② マリヌ(山の精霊)くまが寄り添う
◆ ③ レイニ(陽の光の届かない深海の精霊)マッコウクジラが寄り添う
次回作は、「湧き水に宿る精霊 ミズチ」だそうで、陰陽のシンボルのような文様を持ったこの「土器」から大きなインスピレーションを得たようです。
どんな作品が完成するか、楽しみですね!
そして。。。
私は、薬師寺さんのこれらの作品を鑑賞する中、ある作品に一目惚れしてしまったのです。
それがこちら。
はじまりの水⬇︎
かっ、可愛い過ぎる!!
ふと、タイトルの下を見ると、値段がついています。
や、薬師寺さんの作品を購入する事が出来るの??
このチビ龍ちゃんは、取り外しが出来るそうで、「軽いので何処へでも連れて行けますよ」との薬師寺さんの言葉に私の心は揺れ動きました。
2015年の作品なのに、今まで誰も購入していなかったのが不思議なくらいです。
ここで決断しないでいつするの!!
ってことで、思い切ってチビ龍ちゃんをお迎えすることに決めてしまいました!!
決めた途端に、次々と来場者が入って来られ、いきなり賑やかになりました。
やっぱりこれでオッケーという事ね。
ホピ繋がりの1日は、最後に凄い展開となったのでありました。
これからは、何処に行くにもチビ龍ちゃんと一緒です。
イルカのフジに人工尾びれを作って下さった方の作品と、まさかご縁を持てるなんて。。
これも、天国の彼が仕組んだことなのかも。ありがとう♡
これからの人生、チビ龍ちゃんと共に歩んでいけるって感じがするわぁ。
彫刻展開催の19日までは、まだチビ龍ちゃん、マスミギャラリーの会場にいますので、良かったら観に行かれてねん。
チビ龍ちゃんの名前、「アクア」って降りて来ました。
皆様どうぞよろしくね。