私、「土佐のイゴッソウ」です。
それだけならまだしもAB型。
しかも、数年前もて囃された分類法では、典型的なHow型人間。
一言で言えば「めんどくさい奴」。
そんな私は、今「名探偵モンク」シリーズにはまっています。
以前から、推理ものに対して、どうしても違和感を感じていました。
「名探偵」の、推理から事件解決までの一連の行程は、真犯人の二番煎じに過ぎないとの疑問を抑えられないからです。
推理ものの展開を頭脳戦と捉えた場合、「真犯人」の作り上げたものをなぞって行くだけの「名探偵」より、何も無いところから、「完全犯罪」を構築していった「真犯人」の方がはるかに上だと感じてしまうのです。
勿論、犯罪を肯定するつもりはありませんが。
そのうえ、これがシリーズものになってしまったりすると、主人公のはずの「名探偵」より頭脳明晰な「真犯人」がゾロゾロ出てくる訳です。
「名探偵○○と言われて、いい気になっていても、実は大した奴じゃないじゃん。」
と思えてしまうんです。
つまり、「名探偵」が「真犯人」を上回るためには、「名探偵」自身が「真犯人」になるしか無い訳で、私にとっては推理もの自体が元来、致命的矛盾を抱えたジャンルなんですね。
ところがドッコイです。
「名探偵モンク」は説得力が有ります。
爆弾テロで愛妻を亡くしたモンクは、極度の強迫性障害に陥っています。
彼はこの重度の障害のため、一般のひとが気にも留めないようなことが、どうしても見過ごせなくて許せません。そして、そのことが糸口となって事件を解決してゆきます。
しかも、この障害を慎重に扱うどころか、笑いの要素として頻繁に使ってしまってます。
しかしその上で、彼を取り巻く人々の友情や気遣いがモンクの活躍を支えて行きます。
そして、最後にはホロッとさせられるのですが、それもモンクのちょっとした行動や表情の変化で表現しています。
決して日本や韓国の安っぽいドラマのように、長ったらしい説明口調のセリフで表現したりしません。
放送開始以来毎年エミー賞を受賞しているのも頷けます。
NHK-BSかAXNミステリーチャンネルでやってますので、仕事の息抜きに、一度見てみてください。